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【2017/03/19】第4回シティズンシップ教育ミーティングに登壇させていただきました

日本シティズンシップ教育フォーラム(J-CEF)主催「第4回シティズンシップ教育ミーティング」の分化会にて、発表の機会をいただきました。

「グローバル化とシティズンシップ教育」というテーマの分科会に話題提供者の1人としてご招待いただき、「グローバル化する社会で求められる『社会的包摂』の視点」と題してプレゼンさせていただきました。

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(写真提供:J-CEF)

わたしの発表のアジェンダ:
● イングランドのシティズンシップ教育
● 教育現場での模索と葛藤
● 英国的価値観(British Values)の促進
● 国家の統制 vs 多様性の尊重
● シティズンシップ教育に必要な視点
● 日本における今後の課題

テロの脅威や人的移動の活発化により強まるナショナリズム志向や、シティズンシップという概念自体がはらむ「社会的排除(social exclusion)」のリスクを踏まえたうえで、グローバル社会においてどうシティズンシップ教育を進めていくか?というわたし自身の問題意識を共有させていただきました。

J-CEF事務局の皆さま、分科会のコーディネーターを務めてくださった京都教育大学の水山光春教授、話題提供者としてご一緒させていただいた一般社団法人シェア・ザ・プラネット代表理事の筒井哲朗様、東京大学教育学部4年生のハンガメン様、そして分科会にご参加いただき、貴重なご意見・ご質問をいただきました参加者の皆さまに深く感謝申し上げます。

【2016/11/06】町田市生涯学習センターの市民企画講座で講師を務めました

町田市生涯学習センターで行われた講座「市民になるってどういうこと?18歳選挙権 主権者教育からシチズンシップ教育へ」(企画:共育工房)にて、1コマ講師を務めさせていただきました。
 
※詳細はこちら
 
わたしが担当したテーマは、「シチズンシップ教育で何をめざしていくのか」。昨年まで大学院留学していたイギリスの事例を中心にお話しさせていただきました。
 
今回、このような貴重な機会をくださった共育工房の皆さま、講座全体のファシリテーションをしてくださった川中大輔さん(NPOシチズンシップ共育企画代表・日本シティズンシップ教育フォーラム(J-CEF)運営委員・事務局長)、そして講座に参加してくださった方々に心から感謝申し上げます。
 
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[講座終了後、残ってくださっていた皆さんとの集合写真です]

【2016/02/27】石岡市さわやかハーモニーセミナーで講演させていただきました

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先週27日、茨城県石岡市主催のさわやかハーモニーセミナーにて、「自分の生き方・働き方を自分でつくる」というテーマで講演する機会をいただきました。

本セミナーは、「男性も女性も性別に関係なく社会の主役として対等に活躍することができる社会(男女共同参画社会)」を目指して開催されるもので、”これから進学・就職を経験していく世代の女性のみなさんの、これからのキャリアパスの参考になるようなお話を・・・”というご依頼をいただいていました。

(実際には、広く市民向けに広報されたセミナーだったということもあり、参加者の多くが20代ではなく、30~40代の方だったので、内容が期待外れだと思われた方もいたかもしれません・・・涙)

わたしは、組織に属している・いないに関わらず、「自分の名前で働ける」人になるということを目標にしているので、ライフステージが変化していく中で、自分で自分の生き方・働き方をつくっていくには?というテーマに対して考えていること、実践してきたことを背伸びせずお話させていただきました。

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わたしのこれまでの人生には、キャリアに関するターニングポイントが3つあると思っています。

本業を持ちながら、Webマガジンの運営を始めたこと。
前職を辞めて、イギリスの大学院へ留学したこと。
帰国・転職して、会社員でありながらパラレルキャリア(※)を選んだこと。
※本業のほかに(収入を生む・生まないに関わらず)別の仕事や活動を持つこと

ということで、自分の経験から、
・パラレルキャリアの魅力と充実させるポイント
・留学をキャリアに生かすために実践したこと
・これまでの経験やスキルを活かして働く工夫

についてお話しました。

わたしのモットーは、「意思を持って流されること」で、「正解を選ぶのではなく、自分の選んだ道を正解にしていく」
ことをいつも考えながら小さな挑戦を積み重ねてきたので、そんなこともメッセージとして。

90分という決して短くない講演時間で、わたしが得意とするコミュニケーションの形(参加型のワークショップなど)ではなかったので、「この話、どれだけ響いているんだろう・・・」と不安に思いつつお話させていただいたのですが、アンケート結果では好意的な感想もいただいたので、少しだけホッとしました。

▼以下、アンケートでいただいた感想の一部です。

・同じことを思っている人が行動して活躍している姿を見て、私も動き出したいと思いました。
・シティズンシップ教育を子どもたちに学ばせたい。
・自分の生き方について考えるいい機会になった。
・次世代の生き方・働き方の指針となり、自分らしく働くヒントになる話だった。
などなど。

今回はこれまでの経験から考えたことを中心にお話したのですが、「現在の活動についてももっと聞きたかった」という声も頂戴したので、そこは反省点です。次回の機会に生かさないと。

本セミナーに登壇するにあたり、石岡市役所の皆さんがとても丁寧な対応をしてくださいました。本当にありがとうございました!
(わざわざ聴きに来てくれた学生時代の同級生・Sちゃんもありがとう!!)

【2015/11/28】山口県立大学 国際文化学部「域学共創III」で客員講師を務めました

 
山口県立大学の斉藤 理准教授からお声掛けいただき、同大学の「域学共創学習プログラム」内の授業のひとつ、「域学共創III」にて90分×2コマ、客員講師を務めさせていただきました。対象は、国際文化学部の2・3年生40名ほど。
 
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 山口県立大学国際文化学部では、文部科学省「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援:タイプB(特色型)」を通して、世界の地域と日本の地域をつなげて歴史・文化・自然・人間の価値や可能性に着目し、地域課題解決に取り組む「インターローカル人材」を育成する取組みを始めています。

(山口県立大学ウェブサイトより抜粋)
 
わたしが担当したのは、「留学準備クラス」という位置づけでしたが、留学に行く目的が明確ではない(国際文化学部にいるから何となく・・・など)という学生さんも少なくないとお聞きしていたので、留学の動機づけとなるように意識しました。また、グローバル化による社会の変化というマクロな視点で留学経験を捉える契機になればと思い、「グローバル化が進む時代に、自分の学び方、働き方、生き方を自分自身で選び取るには?」というテーマで下記のような授業を展開しました。
 
■グローバル化が進むってどういうこと?
・「暮らす」「働く」場面でどんな変化が起こりうるか?
・不確実性(予測不可能性)が高まり、従来の「正解」が通用しなくなる
・課題を構造的に捉え、異なる他者と協働・試行錯誤しながら妥協案を探し実行する力
 
■教育のあり方、学び方はどう変わるか?(世界の流れ)
・イングランドのシティズンシップ教育
・フィンランドの教育改革
・OECD政策対話「2030年に必要とされる資質能力」
 
■グローバル社会で求められる3つのbe
・Ownership / Entrepreneurship / Citizenship
・留学=これらを試行・習得するひとつの機会と考えてみる
 
■留学中の学びを帰国後に生かすためには?
・目的の明確化/経験の意味づけ/日常への応用
 
■グローバル社会で目指したいリーダー像とは?
・ダニエル・ゴールマン「6つのリーダーシップスタイル」
・ファシリテーター型リーダーシップというあり方
 
なお、後半の授業では、下記の問いを立て、「グローバル人材とは何なのか」を考えるワールドカフェを行いました。
 
問い① 「グローバル社会」で自分らしく生きていくために必要な知識・スキル・態度とは?
問い② また、それらを身に付けるうえで、留学はどのような役割を果たすと思いますか?
 
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最近よく「グローバル人材」という言葉が使われるものの、まずは
・グローバル社会を生きるってどういうこと?
・自分の可能性を生かしながら生きるために必要なこととは?
・留学に行けば”グローバル人材”になれるの?
ということを今一度よく考えてみてほしい、という狙いがありました。
 
最初は、「留学に行くと視野が広がる/忍耐力がつく/タフになる」というところで思考がストップしがちだった学生たちも、
 
「留学に行けば自然と力がつくわけではなく、様々な文化背景を持った人たちと積極的にコミュニケーションを取ろうとすることで、結果的に視野が広がるんじゃないか」
「忍耐力も必要だけど、我慢するだけでは自分を見失ってしまう。意思表示をする努力もしないと」
「こういう態度は、留学に行かなくても身に付ける方法はあるのでは?わざわざ海外へ行く意義とは?」
「自分自身がタフになるだけではなく、困ったときに人を頼るのもスキルのひとつだと思う」
 
など、もう一歩踏み込んだディスカッションを展開できるようになり、思考の幅が広がったのではないかと私は感じました。以下、グループ成果の一部です。
 
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山口県立大学のグローバル人材育成推進事業は、単に異文化コミュニケーション能力を伸ばすということだけでなく、「グローバル視点から地域課題を考える」という明確な目的のもと、地域課題に関するテーマについて調査分析を行い、留学先での研究計画を立て、その研究成果を地域で発表するプログラムがあるなど、アクティブラーニングを重視したユニークな事業なので、今後の展開にも注目したいと思います!
 

【2015/10/08】法政大学 経営学部 長岡ゼミでゲスト講師を務めました

 
先月の東大ハラケンゼミに続き、法政大学 経営学部 長岡ゼミにもゲスト講師としてお呼びいただきました^^
長岡ゼミは「”ソーシャルデザイン”をベースに各自がもつ問題意識を見つける&深めていくゼミ」だそう。
リンク:長岡研究室ウェブサイト
 
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最初は、声を掛けてくれた学生さんから「シティズンシップ教育について聞きたい!」というリクエストをもらっていたのですが、事前打ち合わせの段階で、ゼミ生の興味・関心が結構幅広いと聞いたので、
 
“国連職員を目指していたわたしが、なぜ「まちづくり」「対話」に携わるのか?”
という、よくある新書みたいな(笑)タイトルで、ここ10年間(18歳~もうすぐ28歳)で移り変わってきたわたしの問題意識や選択について40分ほどお話させていただくことに。
 
ちょうど、前職を退職→イギリス大学院留学→転職 のタイミングで(プライベートのごたつきもあり笑)、人生の第二ステージが始まったなぁという感じがしている今日この頃だったので、わたし自身にとっても考えを整理する良い機会となりました。
 
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♥カトリックの中学・高校に通っていたわたしの「途上国支援に携わりたい」と漠然とした憧れ。
 
♥セルビアの難民キャンプでボランティアをし、抱いた無力感と不信感。
 
♥国際NGOのユースボランティアとして活動する中でふくらんできた「社会貢献」「国際協力」への違和感。
 
♥運命的に出会ったソーシャルベンチャーのインターンをクビになった苦い経験。
 
♥非営利組織の経営を内側から学びたい、と就職した赤十字でのやりがいとジレンマ。
 
♥青少年対象のグローバル教育プログラムを担当していて感じた「エンパワーメント」の難しさ。
 
♥周りを巻き込むフックを模索し、「かわいい×ソーシャルアクション」というテーマで始めたエシカルWebマガジン。
 
♥行動そのものが目的化してしまいかねない、「エシカル」「ソーシャルグッド」の落とし穴。
 
♥本業×マイプロジェクト、というパラレルキャリアの始まり。
 
♥働きながら勉強を続ける中で出会った、イギリスのシティズンシップ教育。
 
♥「社会貢献」、「ソーシャルアクション」を経てわかった、「市民の社会参加」の意義と課題。
 
♥「地域コミュニティでの対話を通じて、いきいきと社会参加できる人を増やしたい」と考えるようになったわたしが、導かれるようにしてジョインした新しいお仕事。
 
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と、いろいろ悩んで、行動して、気付きを得て、また違うもやもやが生まれて、新たなチャレンジをして・・・あちこち動き回ってたまに人生の迷子(笑)になるわたしが、いま、ここにいる理由。みたいなものをざーっとお話しました。
(このどれかの要素が、ゼミ生の皆さんの心に引っかかるかもしれないなぁと思い!)
 
わたしの話だけするのも面白くないので、最後に(あまり時間を取れなかったけれど)、「過去に、強い想い(憧れややる気、問題意識)があったけれど、期待どおりにならなかった経験はありますか?そのあと、どんな行動を取りましたか?」というテーマで、3人1組で経験をシェアしてもらうことに。ワークショップ慣れしてしまっている?ゼミだったので、シンプルにお互いの話をしてもらいました。
 
よくある就職試験の面接みたいに「困難な経験をどう乗り越えましたか?」みたいな武勇伝ではなく、「もやもやとしてしまった経験」について語る、という場があってもいいのかなぁと。わたしも、うまく乗り越えられなくて、見なかったふりをしたり、逃げたり、信頼を失ったり、正当化したり・・・ということはたくさんあったので。
 
何か選択をした時点では「正解」だと思えなくても、そのあとの行動の積み重ねで「結果オーライ」になればいい!
(そんなことを、以前ブログに書いて、今でもよく読まれているみたいです→「正しい道を選ぶのではなく、選んだ道を正解にしていくこと 」
 
最後にいくつか感想を聞いてみたところ、
 
「人によって、もやもや→行動、というパターンの人もいるけれど、自分はまず何も考えずに行動→理想と現実のギャップでもやもや、ということが多い。行動パターンは人によって違うんだな」
という気付きや、
 
「世間では、成功体験ばかりよく取り上げられるけれど、本当はそれ以上に失敗だってあるはず。もっとそういうのがシェアされてもいいのでは」
というコメントや、
 
「好きなことで一番になれなくて、一度きっぱり諦めようと思った。でもできなかった。関わり続けていたら、今まで見えてこなかった道が見えてきた」
という経験がシェアされて、興味深かったです。話してくれて、どうもありがとう。
 
長岡ゼミは、共通のハッシュタグで考えをツイートする、というのがお決まりのようで、今回のゼミに関する感想も「#melc2015」というタグで共有されています^^その一部を貼り付けておきますね。
 


 
長岡先生からは、「プライベート」と「パブリック」のバランスが大切だね、というコメントをいただいて、そのテーマに関心をもってツイートしてくれたゼミ生の方も多かったです!
 


 
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とっても自由にお話しさせていただいて、長岡先生のコメントやゼミ生の皆さんの素直なリアクションから、いろいろ刺激を受けました。呼んでくださってありがとうございました~!
 

【2015/09/30】東京大学 教養学部の自主ゼミでゲスト講師を務めました

 
NPO法人YouthCreate代表の原田謙介さんが担当する、東京大学 教養学部の前期課程自主ゼミ(ハラケンゼミ)第2回にて、「シティズンシップ教育と若年層の政治参加」をテーマにレクチャーを担当させていただきました。
 
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ハラケンゼミの大テーマは「18歳選挙権時代を考える」というもの。わたしは「海外の政治教育から学ぶ」というテーマでお声掛けいただいたので、つい最近まで英国・ヨークの大学院で研究していた「シティズンシップ教育」についてお話・簡単なグループワークのファシリテーションをさせていただきました。
 
東京大学の学生だけに限らず、様々な大学から合わせて18名が受講してくださいました。
 
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わたしが担当したパートでは、以下の流れで進めました。
 
1. ペアワーク
~シティズンシップ教育の目的について考える~
 
・「現代社会について理解し、//積極的に社会参加するための//知識、態度、スキル等//を身に付けること」とは、具体的にどういう内容だと思うか?
・イングランドで「シティズンシップ」が正式科目として導入された際のカリキュラムと、ペワークで出た意見を比較する。
 
2. レクチャー
~イングランドにおけるシティズンシップ教育の内容と課題を学ぶ~
 
・イングランドにおける「シティズンシップ」教科導入の経緯とは?
・1998年 政府諮問委員会の「クリック・レポート」~2013年 ナショナル・カリキュラム改訂:内容はどう変化したか?その背景にある政治状況とは?
・学校におけるシティズンシップ教育の実践例と、その課題とは?
 
3. グループワーク
~日本でシティズンシップ教育を実践するとしたら、何が必要か考える~
 
◎考えるうえでのポイント
・日本における現代的な課題とは?
・いま・これから必要とされる「積極的な市民」像とは?
・学校教育だけで十分か?
 
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限られた時間だったので、「シティズンシップ教育って結局何なんだ?!」となってしまったらどうしよう・・・という不安も少しありましたが、最後のワークでは模造紙と付せんを使って、どのグループでも積極的にディスカッションがされました!
 
「政治を身近なこととして捉えられるような学びが必要なのでは」
「学校だけではなく、家庭や地域での取り組みも大切」
「教科導入や模擬選挙だけでなく、正解のない問いを議論できるような場が普段からないと効果がない」
など、本質を突くような意見や、
 
「そもそも《善い市民》《あるべき市民像》って何なのだろう?」
「シティズンシップ教育は必要なのかな?」
といった、大切な問いも出されました。
 
グループごとのディスカッション内容を模造紙にまとめました↓↓
 
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今回のレクチャーでは、「そもそも《シティズンシップ》とは?」という話から入らず、海外の政治教育の一例として「シティズンシップ教育」のねらいと課題に焦点を当てたので、受講生の皆さんは疑問や”もやもや”も残っていることと思います。
(終了後、質問に来てくれたり、考えを伝えに来てくれた学生さんがたくさんいました)
 
でも、シティズンシップ教育自体、「正解のない」「変化しうる」ものだとわたしは思っているので、無理に消化する必要はありません(わたしも、まだまだ勉強・実践の途中です!)。
今後も続くハラケンゼミで「18歳選挙権時代を考える」うえで、その問いを持ち続けて、皆さんなりの理解が進んでいくことを願っています。
 
学生の皆さんの様々な意見を聞くことができ、講師のわたし自身も大変勉強になりました。ありがとうございました!
10月は、法政大学のゼミでもお話する機会をいただいています^^
 
☆イングランドだけでなく、ヨーロッパで実践されている【シティズンシップ教育】に関心があるという方や、【社会参加】を促す教育的アプローチについて知りたいという方がいらっしゃれば、グループワークの企画・運営などご相談ください。お問い合わせはこちらのページからお願いします!