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【2015/09/30】東京大学 教養学部の自主ゼミでゲスト講師を務めました

 
NPO法人YouthCreate代表の原田謙介さんが担当する、東京大学 教養学部の前期課程自主ゼミ(ハラケンゼミ)第2回にて、「シティズンシップ教育と若年層の政治参加」をテーマにレクチャーを担当させていただきました。
 
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ハラケンゼミの大テーマは「18歳選挙権時代を考える」というもの。わたしは「海外の政治教育から学ぶ」というテーマでお声掛けいただいたので、つい最近まで英国・ヨークの大学院で研究していた「シティズンシップ教育」についてお話・簡単なグループワークのファシリテーションをさせていただきました。
 
東京大学の学生だけに限らず、様々な大学から合わせて18名が受講してくださいました。
 
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わたしが担当したパートでは、以下の流れで進めました。
 
1. ペアワーク
~シティズンシップ教育の目的について考える~
 
・「現代社会について理解し、//積極的に社会参加するための//知識、態度、スキル等//を身に付けること」とは、具体的にどういう内容だと思うか?
・イングランドで「シティズンシップ」が正式科目として導入された際のカリキュラムと、ペワークで出た意見を比較する。
 
2. レクチャー
~イングランドにおけるシティズンシップ教育の内容と課題を学ぶ~
 
・イングランドにおける「シティズンシップ」教科導入の経緯とは?
・1998年 政府諮問委員会の「クリック・レポート」~2013年 ナショナル・カリキュラム改訂:内容はどう変化したか?その背景にある政治状況とは?
・学校におけるシティズンシップ教育の実践例と、その課題とは?
 
3. グループワーク
~日本でシティズンシップ教育を実践するとしたら、何が必要か考える~
 
◎考えるうえでのポイント
・日本における現代的な課題とは?
・いま・これから必要とされる「積極的な市民」像とは?
・学校教育だけで十分か?
 
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限られた時間だったので、「シティズンシップ教育って結局何なんだ?!」となってしまったらどうしよう・・・という不安も少しありましたが、最後のワークでは模造紙と付せんを使って、どのグループでも積極的にディスカッションがされました!
 
「政治を身近なこととして捉えられるような学びが必要なのでは」
「学校だけではなく、家庭や地域での取り組みも大切」
「教科導入や模擬選挙だけでなく、正解のない問いを議論できるような場が普段からないと効果がない」
など、本質を突くような意見や、
 
「そもそも《善い市民》《あるべき市民像》って何なのだろう?」
「シティズンシップ教育は必要なのかな?」
といった、大切な問いも出されました。
 
グループごとのディスカッション内容を模造紙にまとめました↓↓
 
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今回のレクチャーでは、「そもそも《シティズンシップ》とは?」という話から入らず、海外の政治教育の一例として「シティズンシップ教育」のねらいと課題に焦点を当てたので、受講生の皆さんは疑問や”もやもや”も残っていることと思います。
(終了後、質問に来てくれたり、考えを伝えに来てくれた学生さんがたくさんいました)
 
でも、シティズンシップ教育自体、「正解のない」「変化しうる」ものだとわたしは思っているので、無理に消化する必要はありません(わたしも、まだまだ勉強・実践の途中です!)。
今後も続くハラケンゼミで「18歳選挙権時代を考える」うえで、その問いを持ち続けて、皆さんなりの理解が進んでいくことを願っています。
 
学生の皆さんの様々な意見を聞くことができ、講師のわたし自身も大変勉強になりました。ありがとうございました!
10月は、法政大学のゼミでもお話する機会をいただいています^^
 
☆イングランドだけでなく、ヨーロッパで実践されている【シティズンシップ教育】に関心があるという方や、【社会参加】を促す教育的アプローチについて知りたいという方がいらっしゃれば、グループワークの企画・運営などご相談ください。お問い合わせはこちらのページからお願いします!