├骨髄移植ドナー体験記

限られた人生の中でわたしにできるのは、経験をシェアしていくこと

 
ご存知の方も多いと思いますが、私は昨年3月に骨髄のドナー(提供者)として移植手術を受けました。相手の患者さんは、10歳未満の男の子(という情報しかわかりません)で、手術から1年経った今年の3月、ご本人とお母様からお礼のお手紙をいただき、「頑張って生きてくれているんだ!」と感激しました。
 
▼お手紙をいただいた時のブログです。
骨髄提供をした男の子が教えてくれたこと | 齋藤実央オフィシャルブログ【Enbook】
 
手術から3ヶ月たった時、Facebookで目にしたのは、わたしの友人のお知り合いで、白血病と闘っている同世代の女性の投稿。直接の繋がりはありませんでしたが、とても他人事とは思えませんでしたし、ポジティブに闘病されている姿に元気をもらいました。
患者さんたちはドナーに対して「手術のリスクを負わせて申し訳ない」という思ってしまうことが良くあると聞きます。わたしが患者さんのお母様からいただいたお手紙にも、「手術で痛い思いをさせてしまったでしょうね・・・」と書かれていました。
でも、わたしはむしろ、「自分が生きていることには理由があったのだ」と思わせてくれた患者さんに感謝しているということ、また「陰ながら応援しています!」という気持ちを彼女に伝えたくて、Facebookで個別メッセージをお送りしました。
 
あれから約1年。その女性が、「ある程度元気になったと感じたら、是非実央さんにご連絡させて頂きたいと思っていました」とメッセージをくださったのです!まだ体調は万全ではないにせよ、だいぶ体力もついてきて、完治に向けて日々前進されているとのこと。うれしい!!
「今の自分の体は、自分だけのものではなく、ドナー様の血も流れているんだと思うと、絶対に完治する様に、健康である様に、努力するぞ!!と、『命の責任』の様なものも強く感じています」という言葉にも、闘病経験者だからこその重みを感じます。帰国したら、ぜひお会いしたいなぁ。お話したいこと、たくさんあります。そして当事者として、一緒に何かメッセージを発信していけたらと考えています。
 
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Image: febyfe.com

 
わたしが骨髄移植手術に至るまでのプロセス、そして高校での講演などを【骨髄移植ドナー体験談】というカテゴリーでブログにも残してあり、読んでくれた方から、「骨髄バンクに登録してみたい!」「実はドナー候補に選ばれたのですが、実央さんはなぜ手術を受けようと思ったのですか?」などご質問もいただいています。
(※わたしは日本骨髄バンクのスタッフではないので、骨髄バンク登録など最新の情報については公式サイトをご覧くださいね!)
 
この人生の中で経験できることや出会える人の数は限られているからこそ、わたしがそこから学んだこと、感じたことを自分の言葉で発信し、残していきたい。そんな思いもあって、わたしはこのブログを続けています。骨髄移植についても、「エライでしょ!」と言いたいわけでも、「みんなドナー登録するべき!!」と押し付けたいわけでもありません。「全く関心がなかったけれど、リアルな声を聞いて少し興味がわいた」「前から少し気になっていたけれど、きっかけがなかった」という人にとって、一歩を踏み出す勇気になったらいいな、そしてそれが、誰かの命を救うことになったら素敵だな、という気持ちで書いています。
 
インターネット上で飛び交う言葉は、時として誤解を生みます。わたし自身、良かれと思って言ったことで誰かを傷つけてしまったこともあるし、逆に自分が傷ついた経験もあります。でも、インターネットがあるからこそ、わたしが届けられるメッセージもあります。ご縁あってわたしの文章を目にした誰かの心が、少しでもポジティブに動くような言葉を選び取っていきたいです。
 

骨髄提供をした男の子が教えてくれたこと

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昨年わたしが骨髄提供をした患者さんとお母様から、お礼のお手紙が届きました!
『何も連絡が来ないということは、もしかして助からなかったのでは…』と考えたこともあったので、ホッとして涙が…。
 
お母様からのお手紙には、
息子さんを健康な身体で産んであげられなかった自分を責めていたこと、
ドナーからの骨髄提供が決まった時は涙が出たこと、
手術後もさまざまな症状に苦しみ、本当に移植してよかったのかと不安になったことなど・・・
 
患者さん本人も、親御さんも、どんなに辛い思いをして頑張ってきたのだろう。。と胸が苦しくなりました。
 
お子さんは、今も外来に通いながら治療を続けているそうですが、移植前ほど入院することもなく元気に過ごしているそう!
まだまだ病気との闘いは続くと思いますが、希望をつなぐことができて、わたしも本当にうれしいです。
 
お子さん本人からも、かわいいイラストやシールでいっぱいのお手紙が同封されていました。
この世にちゃーんと生きていて、自分の幸せを願ってくれる人がいて、『ありがとう』と伝えられるということは、
なんて素晴らしいんだろう!と元気をもらいました(*^^*)
 
できることなら直接会って、『手術がんばったね!これからも応援しているよ!』と伝えたいけれど、
プライバシー保護の観点からお互いの名前すら知ることはできないので、その願いが叶うことはありません。
 
それでも、わたしと同じ血液が流れる小さな男の子が、この世界のどこかで一生懸命生きているという事実は、これからもわたしの心を支え続けると思うのです。
 
この記事を見て、骨髄移植のことを知り、骨髄バンクに登録してくださる方が増えたら、ドナー経験者としてうれしいです!♡
 
▼日本骨髄バンク | ドナー登録をお考えの方へ
http://www.jmdp.or.jp/reg/
 

都立松原高校で「骨髄移植」の特別授業を担当しました

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今日は、都立松原高校の3年生約150名に向けて、40分×2コマの特別授業をさせていただきました。
『生徒へのクリスマスプレゼントになるような時間にしたい』という先生の想いを受けて、【「18歳」の可能性】というタイトルでの講演を。
前半は、「(法律上)18歳からできること」を考えてもらうクイズを、後半は、わたしが今年3月に経験した骨髄移植のお話を中心にしました(18歳から骨髄バンクに登録できるためです)。
 
80分という短い時間でしたが、わたしからはこんなメッセージを込めて。
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★18歳は、成人こそしていないけれどたくさんの可能性を秘めています!希望を持って進んでください。
★何事も、選ぶかどうかは自分次第。まずは、いろんな選択肢があることを知ってください。
★あなたが健康に生きていることが、いつか誰かの命を救うかもしれません。「お互いさま」の気持ちでいてください。
———-
 
わたしは私立女子校育ちなので、母校で講演するのとはまた違い、都立共学校の雰囲気は新鮮でした!
元気盛りの150人全員に集中してもらうのは難しかったけれど、一見ヤンチャそうな子が一生懸命メモを取ってくれていたりして、うれしかったです。
 
生徒さんたちからは、次のような感想文が寄せられました。
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◎18歳の自分にできること、意外にたくさんあると知って、誇らしくなった。
◎骨髄移植をする勇気はまだないけど、考えてみたい。まずは献血に行きます!
◎これから医療の道に進むので、ますます勉強を頑張りたい。
◎いつか誰かの命を救えるかもしれないから、まずは自分の健康に気を付けて過ごす!
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など、さまざまな声が聞けてうれしいし、勉強になります。
一方で、「注射の話とかニガテ…」という子もいたので、今後は配慮も必要だなぁと反省したり。
 
骨髄バンクへの登録に限らず、法律上18歳になったらできることも伝えた今回の特別授業。
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◎夢について語るのではなく現実的な可能性を知れたのが良かった。
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という意見には、なるほどと思わせられました。具体性は大切!
 
アウトプットするたびに、わたし自身も新たな発見があるので、こうした機会をいただけるのはありがたいこと!これからも、いろんな場に呼んでもらえるよう自分の引き出しを増やしていきたいと思います。
これからも、自分の経験値を増やしつつ、そこから学んだことを次の世代に伝えていけるように。それが、生きる上での小さな希望につながるように。
 

骨髄移植手術から1ヶ月、術後検診も完了!

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手術直後はかなり低下していた血中ヘモグロビン濃度・・・ちゃんと正常値まで回復*\(^o^)/*
術後は結構痛かった腰も、もう大丈夫です♬
 
骨髄ドナーに決まるまでは東京都立府中療育センター、移植手術のための入院では杏林大学医学部付属病院にお世話になりました♡
 
昨年9月から続いた骨髄移植のプロセスは、これにて完了!ドナーとして学ぶこと、感じることの多い1年半でした。
何より、自分の生きている意味をひとつ見出せたのが大きかったなぁ。
 
夏からは少しずつ、高校や大学、社会人グループでの講演などを通じてこの経験を還元し、骨髄バンク登録や移植への理解を広めていきたいと思っています。
 

骨髄移植手術を終えて、退院しました!

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無事に手術を終えて、退院しました(*^^*)骨髄を採取した腰がまだ痛みますが、熱は下がり、お陰さまで元気です♪♪
 
今後、骨髄を提供した相手の患者さん(10歳未満の男のコ)の体内では、全てわたしの造血幹細胞から血液がつくられていきます。
なんだか不思議でしょう?移植手術で血液型が変わる人がいるのも、このためなんですよ☆
 
わたしがこれまで大きな病気をすることなく健康でいられたのも、
骨髄バンクに登録後、2%の確率でドナーに選ばれたのも、
 
ぜーんぶ、“有り難い”こと!
 
「ありがとう」という言葉を、これほど噛み締めたことはありませんでした。
 
大げさかも知れないけど、
わたしが生きていることには、ちゃんと意味があったんだなぁ
って。
 
今後、いくつかの学校で骨髄移植についてお話する機会をいただいています。
将来、救われる患者さんが1人でも増えるように、ドナーの経験を生かして微力ながら貢献していきたいです(^_−)−☆
 
▼骨髄バンク登録について
http://www.jmdp.or.jp/reg/
 

移植手術まで3週間!術前検診を受けました

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いよいよ、骨髄ドナーとして協力する移植手術まで3週間!術前検診(※)を無事に終えました♪
そして、患者さんの情報が明らかに★
 
ドナーには、骨髄を提供する相手の住んでいる地域・年代・性別の情報だけ知らされるのですが、わたしのお相手は“10歳未満の男のコ”だそう。
 
わたしよりもはるかに小さいお子さんが、病気を治すために頑張ってるんだなぁ…。
その努力に応えられるよう、手術まで体調管理に気を付けます(*^^*)
 
※採血、採尿、レントゲン、心電図、呼吸機能、麻酔科問診