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ストーリーテリングと対話のワークショップ「Share Your Story」を毎月主宰します!

 
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Image via southernweddings.com
 
2016年2月から、「等身大のストーリーが、一歩を踏み出すチカラになる」をコンセプトにしたワークショップ「Share Your Story(シェア・ユア・ストーリー)」を毎月主宰します。
 
人はだれしも、その人にしか語れないストーリーを持っています。自分では「取るに足らない話」と思っていたとしても、それをシェアすることで、聴き手が大きな学びを得られたり、勇気づけられたりすることがあります。そして、そのストーリーから得た気付きを、今度は参加者同士でシェアすることで、共につながり、一歩踏み出すきっかけが生まれるかもしれません。
 
世紀の大発明をした!とか、前人未到の大記録を打ち立てた!といった話ではなくとも、一人ひとりの持つ等身大のストーリーには小さな変化を起こす力があります。それを丁寧に掬い取り、対話する場をつくり、ポジティブでゆるやかなつながりを紡いでいきたい、という想いでShare Your Storyをスタートさせました♪
 

「エンパワーメント」ってなんだろう?

 
わたしは、学生時代いわゆる「国際協力」に強い関心があり、国際NGOのユースメンバーとして活動したり、旧ユーゴスラビアの難民キャンプでボランティアしたり・・・と活動をしていましたが、「自分がどんなに意義のあることだと思っていても、それをただ熱く語るだけでは他者の共感は得られない」ということを学びました。
 
大学卒業後に入社した非営利組織では、青少年教育やボランティア研修のファシリテーションを担当していました。社会問題、国際課題の解決に貢献したい!という熱意を持った高校生や大学生をサポートする仕事は、彼らの成長が目に見えるのでやりがいはありましたが、”非日常的な”研修プログラムのあと、”日常”に戻ったあとも行動を継続することはなかなか難しいということも感じていました。
 
「何か行動を起こしたい」という思いはあっても、”社会”や”世界”が抱える問題はあまりに大きすぎて、国連職員にでもならないとその解決に貢献できないのではないかと無力感を持ってしまったり(それでも内定は取らないといけないから就職活動を始めて、途中で自分を見失ってしまったり)。「自らアクションを起こせるように、その人をエンパワーメント(empowerment=力づけ)すること」のやりがいと難しさを、仕事を通じて痛感する日々。
 
そのうちに、「一部のエリート層だけが頑張る国際協力や、寄付やボランティアのような社会貢献活動とは違う、ごく普通の私たちが日常生活の中で取り組めるソーシャルアクションのあり方を考えたい」という思いが大きくなり、本業の傍らエシカルWebマガジンの運営もするようになりました。「かわいそう」ではなく「かわいい」という切り口で、おしゃれが好きな20-30代女性の心に響く情報発信を―という軸が明確だったことと、当時少しずつ「エシカル」という言葉の認知度が高まっていたことから、学生時代の「国際協力」よりもはるかに共感を得られているという手ごたえがありました。
 
一方で、「エシカル」や「ソーシャルグッド」という言葉”だけ”を強調してしまうと、それらが特別なものとしてカテゴライズされてしまったり、購買行動そのものが目的化してしまいかねない・・・という側面もあるな、ということも感じていました。
 
「わたし」なりの価値観や判断基準がないと、「エシカルと謳われているから」という理由だけで「いいもの」と思ってしまうかもしれない。逆に、その「いいもの」を選ばないことを、後ろめたく感じることもあるかもしれない。つまり、結局のところ「わたしのエシカル哲学」がないと、ソーシャルアクションとして持続性がないのではないか?と考えるようになったのでした。
 
このように、学生時代の国際協力活動、卒業後の青少年育成の仕事、そしてエシカルWebマガジン運営という個人活動を通じて、「『できる人はできる』”社会貢献”ではなく、一般市民のそれぞれの立ち位置を出発点にした”社会参加”や”社会変革”には、どのようなエンパワーメントが必要なのだろう?」という自分の問題意識・テーマが明確になっていきました。
 
さまざまなセミナーや研修に参加したり、ヒントになるそうな書籍を読んだりして勉強していくうちに、市民の積極的な社会参加を促す「シティズンシップ教育」というものを知りました。きちんと体系的・学術的に研究したいと思ったため、大好きだった職場を辞めてイギリスのヨーク大学修士課程に留学し、シティズンシップ教育やアクティブ・ラーニングについて研究しました。
帰国後は、地域活動や社会起業を支援する民間企業に転職をし、ワークショップの企画・運営などを担当しています。
 

「わたし(I)」を主語に語ること

ここまで研究や実践を重ねてきたなかで、そもそも「社会参加」のベースとして必要だとわたしが感じているのは、
 
● 「自分はかけがいのないユニークな存在だ」という自己受容・自己肯定意識
● 「自分にも社会に参加する・より良くするために行動する権利がある」という市民としての権利意識
 
です。そういった意識を持つための第一歩として、わたしがこれから広く伝えていきたいなと思うのは、
 
● 「社会」や「世界」の前に、「わたし(I)」を主語にした哲学、ミッションを語れること
 (世の中的に~すべき(should)ではなく、わたしが~したい(like, want)という価値観にまずは自分で気付くこと)
の大切さです。ここで言う「語れる」とは、自分でミッションを自覚していて、かつ、それを聴いてもらえる安全な環境がある、という意味です。
 
また、「わたし」が不在のまま「社会変革」を訴えても、最初は正義感や責任感に突き動かされて動けるけれど、決して持続はしないし、他者の共感を得るのは難しい(結果的に、根本的な変化は起こせない)。
 
これまでわたしは、「社会参加や社会変革を促すための、外側からのエンパワーメント」という視点で考えていました。
でも今は、
「社会との繋がりの中で培われた自分の価値に気付くための、内側からのエンパワーメント」に関心を持っています。特に、次のようなアプローチに注目して学んでいるところです。
 
● ナラティブ・アプローチ:自分の人生を丁寧に振り返り、過去の経験や価値観に意味づけをしていく。
● アサーティブ・コミュニケーション:相手のことも尊重したうえで、自分の思いや問題意識を伝える。
● 対話的アプローチ:口にした想いを、安全な環境での対話を通じて受け止め合い、共感を分かち合う。
 
そこで、これを実践するわたしなりの一つの試みとして、
 
● 次のステージに進もうとしている人と向き合い、ライフストーリーの編集・意味づけをする
● ゲストスピーカーに、等身大のストーリーを話してもらう(ストーリーテリング)
● ゲストのストーリーを元に設定したテーマに沿って、参加者同士でストーリーを語り合う
 
という個人セッションと、シンプルな少人数制ワークショップを始めることにしました。
 

ライフストーリーの編集から対話まで

 
このShare Your Storyの取り組みを通じて、次の3つの場面で「エンパワーメント」というテーマに向き合いたいな、と思っています。
 
① 主宰者(わたし)⇔ ゲストスピーカー「対話を通じて思いを整理する」
Share Your Storyの特徴は、「すでに成功した有名人」ではなく、「試行錯誤しながら自分の道を見つけようとしている、身近な人」をゲストスピーカーとして呼ぶこと。そのため、わたしからお声掛けする段階では「自分の経験はとるに足らない(人前で語るほどでもない)」と思っている人が多いです。
 
でも、「一人ひとり素敵なストーリーや想いを持っているのに、それを発信しないのはもったいない!」とわたしは思うのです。だからこそ、まずわたしがゲストスピーカーの話を1対1の個人セッションでじっくり聴き、その思いを「人に伝わる」形で整理するお手伝いをしています(わたしはこれを、「ライフストーリーの編集」と言っています)。
 
自分のストーリー(人生)の”意味づけ”ができると、自分のミッションや大切にしてきた(したい)価値観に気付くことができます。「忘れていたけれど、あの経験が自分の原点だ!」と自分の過去を新しい視点で振り返ることができたり、「そうだ、わたしはこういうことがしたかったんだ!」とポジティブに未来を描けるエネルギーが湧いてくる。これは、聴き手のわたしが「与える」ものではなく、その人の「内側からのエンパワーメント」です。
 
わたし自身、小さいころから何をするにも人よりワンテンポ遅かったり(笑)、これといった取柄もなくずっと自信が持てずにいましたが(今でも、根はネガティブな方です・・・)、何か問題意識が芽生えるごとに自分の人生を振り返ったり、ありがたいことにインタビューや講演などで自分の想いや活動について伝える機会が増えたりしたことで、少しずつですが次のステップを見出すことができてきた、と感じています。わたしにとって、ライフストーリーを何度も振り返り、そのたびに編集していく、という作業はとても有効だったようです。
 
② ゲストスピーカー ⇔ 参加者「等身大のストーリーを語る」
主宰者であるわたしとの1対1の対話を通じて、ある程度自分の思いが整理されたところで、あらためて「参加者の皆さんに問いかけたいこと/伝えたいメッセージ」をゲストの方自身に考えてもらい、相談に乗りながら当日のプレゼン内容を作っていきます。
 
その時にお伝えしているのが、「どこかで聞いたような綺麗なメッセージよりも、うまくまとまっていなくてもいいから等身大の言葉で話してください」ということです。”自分とは別の世界に住むスゴイ人”の話からも刺激は受けられるけれど、「それならわたしもできるかも」と一歩を踏み出すきっかけをつくるには、”自分と同じような課題を抱えていて、それを乗り越えるために試行錯誤している(実際に動いている)身近な人”のストーリーを共有することが有効だとわたしは思うからです。また、参加者の方々からのフィードバックによって、ゲストスピーカーの方も「自分のストーリーのこういう部分が共感を呼ぶんだな」ということに気付くことが多いようです:)
 
自分から積極的に「わたしの話を聞いて!」と講演会などの機会をセッティングするのはハードルが高いと思うので、「ゲストスピーカーとして呼ばれたから」ということを”言い訳”として、今後の活動の足掛かりにしてもらえたらいいなとわたしは考えています。
 
③ 参加者 ⇔ 参加者「異なる他者との対話から気付きを得る」
Share Your Storyは、「講演会」ではありません。あくまでも、ゲストスピーカーが提供してくれる思いやエピソードにもとづいて、参加者同士で気付きを共有し、「対話」を通じてそれぞれのストーリーを語り合う場です。
 
まずゲストスピーカーのお話を聴いて、共感したこと・驚いたこと・疑問に思ったことを共有すると、対象が同じ話でも人によって感じることが違うことに気付きます。それを理解したうえで、今度はテーマに沿った参加者一人ひとりのストーリーを語り合うことで、お互いの価値観や視点の違いを楽しみながら対話することができると考えています。
 
普段の生活では、学校や職場など、価値観や状況が似ている人と話すことは多いかもしれません。Share Your Storyのワークショップでは、世代もジェンダーもバックグラウンドも異なる参加者同士が少人数で対話することで、いつもとは違う気付きをそれぞれが持ち帰れるよう、ファシリテーション含め、場の設計をしています。

毎月開催。ぜひご参加ください!

・・・と、久々に新しい取り組みを始めるということで、長々と書いてしまいました!
 
こんな思いのもと、毎月Share Your Storyのワークショップを開催していく予定ですので、ぜひ遊びに来ていただけたらうれしいです。
Peatixのグループページ(http://peatix.com/group/33381)に参加してもらえれば、イベント開催情報が更新されると通知を受けられるので、ご興味のある方はぜひ:)
 
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(写真:Share Your Story #1の対話風景)
 
ちなみに現時点で2~4月の日程が決まっていますので、ご都合つく方はお申込みをお願いします♪
 
#1「世界のどこでも自分らしく生きる」(2/21開催)http://peatix.com/event/148450
 
#2「環境の変化をポジティブに捉える」(3/6開催)http://peatix.com/event/149385
 
#3「出会いを活かして夢に近付く(仮)」(4/2開催)http://peatix.com/event/155746
 
イベントレポートはブログにアップしていきますので、お楽しみに!