1月23日(金)、山口県立大学のグローバル人材育成カリキュラムの一環で行われた「域学連携フォーラム」にて、同大学の学生によるプレゼンテーションの審査員を務めさせていただきました。
☆昨年11月に、客員講師として講義をさせていただいたときの記事はこちら:
【2015/11/28】山口県立大学 国際文化学部「域学共創Ⅲ」で客員講師を務めました
同大学では、1年生から4年生までの一貫した教育カリキュラム「域学共創」学習プログラムを展開しており、23日のフォーラムでは、留学前の準備科目「域学共創Ⅲ」と、留学後のキャリア形成科目「域学共創Ⅳ」を受講した学生たちが学習成果を発表しました。
近年、「グローバル人材育成」を目標に掲げている大学が増えていますが、山口県立大学のカリキュラムの特徴は、「グローバル視点から地域課題を考える」(域学共創Ⅲ)、「地域と協働し、地域の未来を構想する」(域学共創Ⅳ)というように、「グローバルな学びを地域課題の解決に生かす」ことを学習目標としていること。これは、地域との距離が近い公立大学ならではの強みかもしれません。
参考リンク:地域と共に学ぶ|山口県立大学
これから留学に行く学生さんからは、
・「久留米絣」を含め衰退する可能性のある世界地域文化を守るために、フィンランドなどで「農閑期デザイン」の実地調査をする
・山口県に来る外国人向けに「音楽」をテーマにした観光ツアーをつくるために、JTB台湾でインターンシップをする
・つながりのある社会のヒントとして、中国で広場の活用方法を学ぶ
など全部で8つの留学プランが発表され、
すでに海外で学んできた学生さんからは、
・英語を使ったサービス向上を目指す湯田温泉の従業員に対して英会話教室を開き、英語で「温泉物語」を発信する
・山口へハネムーンで来る外国人カップル向けに、ウェディングフォトを撮れるツアーを企画する
・世界で活躍できる人を育てるため、英語演劇ワークショップを県内の学校で広げる
など全部で6つのプロジェクトプランが発表されました。
限られた時間ではありましたが、私は審査員として
・予見力:時代の変化(グローバル化)についてよく理解しているか
・思考力:論理的に考えられている発表内容か
・予測力:データを挙げながらよく練られたプランになっているか
・実行力:地域社会への貢献度が高いプランか
という4つのカテゴリーごとに(僭越ながら)点数をつけさせていただきました。
どのプレゼンもユニークで私自身も大変勉強になりました!
強いて言うならば、下記の視点がもう一歩、というプランが多かったかなと思います。
(どれも、私が大学院で研究するときに口酸っぱく言われたポイントなので・・・)
・得たいデータに対して、適切な調査手法を選択しているか
・質的調査だけでなく量的調査の材料として指標設定ができているか
・仮説を設定したうえでリサーチを行い、実施後に検証ができているか
(見切り発車でプロジェクトを実施し、「やっぱり正しい!」と意味を後付けするのはNG)
私も引き続き、グローバルな視点で地域課題に取り組み、市民が主体的に社会に参加するための仕組みづくりに貢献できるよう、精進してまいります。お声がけくださった山口県立大学の斉藤理先生ならびに大学職員の皆さま、貴重な機会をありがとうございました!
☆本フォーラムについてのパブリシティ(山口新聞)はこちら:
http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2016/0124/7p.html
☆留学中の山口県立大学の学生さんによる現地レポート(朝日新聞)はこちら:
http://www.asahi.com/area/yamaguchi/articles/list3600075.html