7月下旬から始まったプリセッショナルコース(Pre-sessional course)も終盤に入りました!今は、最終課題のエッセイを書いているところです。
プリセッショナルコースというのは、修士課程に入る前の準備コースで、IELTSやTOEFLのスコアなどが大学側の求める英語力に達しておらず「条件付き合格(Conditional Offer)の学生は、このコースを受講して最後の試験をパスしなければ修士課程に進めません。
わたしは幸い「無条件合格(Unconditional Offer)」が出ているので、本来であればこのコースを受ける必要はありませんでしたが、
■ 少し早めに渡英して、イギリスでの生活に慣れたい。
■ アカデミック・ライティングの基礎を学びたい。
という理由で、他の学生と一緒に受講させてもらいました。
そんなわけで、わたしの場合は最終試験は免除になっているのですが、コースの途中で出されるエッセイやプレゼンテーションはもちろん提出・発表をしなければなりません。
このコースの中では(点数のつかない練習バージョン含め)3つのエッセイが出されたのですが、そのタイトルは次のようなものでした。
1. To what extent do you agree with the statement, “Higher Education is a collaborative pursuit”?:250-450 words
(「高等教育は共同的な探究である」という意見に対して、あなたはどの程度賛成しますか?)
2. The debate over which standard of English should be used as a model for English language teaching has caused much controversy. Explain the issues involved and state what you views are with reference to English language teaching in different areas of the world.:1,000-1,200 words
(英語教育のモデルとしてスタンダードな英語が使われるべきである、という議論は、論争を引き起こしてきました。この論点について説明し、世界の異なる地域における英語教育に言及したうえであなたの意見を述べなさい。)
3. Select any two central aspects of the work-life balance debate and discuss why they are important to modern society.:400-600 words
(ワーク・ライフ・バランスの議論における2つの中心的な観点を選択し、なぜそれが現代社会において重要なのかを論じなさい。)
4. Discuss in what way globalisation is changing Higher Education on the UK.:1,400-1,600 words
(グローバリゼーションがイギリスにおける高等教育をどのように変化させているか論じなさい。)
→1.-3.は全員共通ですが、最後の課題エッセイのタイトルは、それぞれがが修士課程で所属する学部(Department)から与えられます。
わたしは、Global and International Citizenship Educationというコースに入るので、それに関連する基本的なタイトルを出されました。これについては、エッセイの提出と10分間のプレゼンテーションが求められています。
(そのほか、イギリス・ヨークの街の建造物を1つ選び、その歴史などについてプレゼンする、という課題もありましたがそれはとても軽かったです)
さて、8週間のプリセッショナルコースでは、こうしたエッセイを書くために最低限必要なアカデミック・ライティングを勉強してきました。
【アカデミック・ライティングとは?】
日常会話ではさほど困らないわたしも、これには本当に苦労しています。
アカデミック・ライティングとは、エッセイや論文のように大学で求められる学術的な文章を書くこと。
いろいろと制約やルールがあるので、とにかく慣れるしかありません(そしてまだ慣れていません・・・!)。
以下、参考まで。もしご興味あればお読みください~。
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~エッセイの書き方について~
■ 出された問いに正しく答えること。
: たとえば、問いの形が“Describe…(説明しなさい)”であれば、与えられたタイトルについて背景などを説明すれば良いが、“Discuss…(論じなさい)”と言われた場合にはそのテーマについて多方面からの見解(Arguments)を述べる必要がある。
■ エッセイに「一貫性」をもたせること。
: Unity(各パラグラフがメインテーマと関連していること)/ Coherent(各センテンスが自然につながっていること)/ Adequate Development(しかるべき統計データや具体例など、主張に証拠が伴っていること)
■ 適切な構造でエッセイを書くこと。
: 日本語の論文でも同じことだと思いますが、こんな感じです。
1. An introduction(導入):タイトルの背景(background)について述べ、エッセイ全体の流れを示す(signposting)。
2. The body of the essay(メイン部分):Thesis Statement(主題)+ Main Argument(議論)+Evidences(論拠)を含めること。自分のスタンスを明確にすることが求められます。
3. A conclusion(結論):タイトル(例:~について論じなさい)にきちんと答えること。
4. A reference list(参考文献リスト):次の項目を参照。
■ リソースを適切に引用すること。※これがすごく大切!!
: 自分のエッセイの中で参考文献を引用する場合、アカデミック・ライティングのルールに従わないと盗作(plagiarism)と見なされ、即失格となるので要注意。
原文をそのまま引用する場合(Quotations)は必ず引用符をつけるのはもちろんのこと、
趣旨を損なわない形で別の言葉で書き換えて引用する(Paraphrasing)ときや、
長い文章を短くまとめて引用する(Summarising *イギリス英語の綴り)ときにもリソースの情報を正しく書く必要があります。
しかも、ややこしいことに、学術分野によって引用のスタイル(Reference System)が微妙に異なるのです・・・
例)Havard / IEEE / Vancouver / APA / Chicago など。
わたしが研究する教育学(Education)の分野では「APA referencing style」というスタイルが使われているので、それに従って文献を引用します。
▼これは原文をそのまま引用するときの例。文献の発行年と引用するページをこの形で含める必要があります。
As Neville (2010) states, “you should cite all sources and present full details of these in your list of references” (p.37)
~文法事項について~
■ 適切な伝達動詞(Reporting verbs)を使うこと。
: 「△△氏は次のように述べている」といった文を書きたい時、“△△ says…”や“△△ writes…”などのようなインフォーマルな(日常会話に出てくるような)動詞は使えない。
argue(議論する)/ suggest(提案する)/ claim(主張する)/ demonstrate(示す)/ consider(みなす)…
のように場面によってアカデミック(学術的)な単語を使いこなす必要がありますが、わたしはまだまだ練習が必要。
■ 文を受動的構造(Passive structure)にすること。
: わたしは最初の頃、つい“They say…”のような書き方をしてしまうことがあったのですが、目的後に当たるものを主語に持ってきて、受け身の形にするのがアカデミック・ライティングの基本。
[NG!] The researcher asks the respondents to evaluate…
[OK!] The respondents were asked to evaluate…
■ 名詞句&フォーマルな単語を使って、簡潔な文にすること(Nominalisation *イギリス英語の綴り)。
: これもアカデミック・ライティングならではのルール。たとえば、こんな風に書き換えます。
× what you do for a living → ◎ The means of subsistence
× it doesn’t matter how big it is → ◎ irrespective of its size
× what and average expenditure of an average family → ◎ The weekly expenditure of an average family
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・・・などなど、アカデミック・ライティングをマスターするためには、気を付けるべき点がたくさんあるのです。頭ではわかっていても、いざエッセイを書くとなるとうまく行かなかったりするので、難しい・・・
今週のエッセイ提出とプレゼンテーションが終われば、いよいよプリセッショナルコースもまとめに入ります。
クラスメイトと会える機会が減ると思うと、寂しい気もします(専攻がバラバラなので)。
修士課程に向けた準備も始めつつ、コース最後まで頑張ります!