Tower Bridge

カラフルな世界のどこかで、また。

 
クリスマスイブから年明けまで、ヨークを離れてロンドンに滞在。あっという間の10日間でした!
 
Tower Bridge

Tower Bridge seen from the Millennium Bridge, London

 
5年前にデンマーク・コペンハーゲンのDAN HOSTEL COPENHAGEN CITYというユースホステルで出会った、Sanita(サニータ)という女性の家に居候させてもらいました。
 
Five years ago
わたしがバックパッカー旅行をしていた時(当時、21歳・大学4年生)のブログが今でも残っているので、たまに読み返したりしています。
 
▼サニータと出会った日のこと。
http://ameblo.jp/mio-gullorbee/entry-10375988141.html
 
▼2人で観光し、別れた日のこと。
http://ameblo.jp/mio-gullorbee/entry-10376082228.html
 
思えばたった1日半、一緒に過ごしただけなのに、そのあとFacebookを通じて連絡を取り続けていたおかげで、今回5年ぶりに会うことができました!キングス・クロス駅で待ち合わせている間、ちょっとドキドキしちゃった。ハグした瞬間、いろんな思い出が溢れてきました。
 
***
 
わたしはバックパッカーで旅をしていた時、常に小さなノートを持ち歩いていて、出会った人たちに母国語でメッセージをもらいながらいろんな国を回っていました。
 
enbook_4
 
このノートブックはたくさんの「ご縁」が詰まっているわたしの宝物で、大学生活最後の冒険の証。実はこのブログのタイトルである【Enbook(エンブック】はそこから付けました。
 
もちろん、サニータに書いてもらったメッセージもちゃーんと残っています。
 
from Sanita
 
「これ、5年前に書いてくれたメッセージだよ!覚えてる?」
 
とサニータに見せたら、
 
「うわ!字が汚くて恥ずかしい!(笑)」
 
と言ったあとに、
 
「実はね、Mioがくれたメッセージも残してあるんだよ」
 
と、本棚の上から箱を取り出し、中に入っているカードを見せてくれました。
 
From Mio
 
「2人で行ったアートギャラリーでもらった紙にメッセージを書いて、サニータがシャワー浴びてる間にベッドに置いておいたんだよね!懐かしいね」
 
と言ったら、
 
「具体的に覚えてるんだね。若いから記憶力いいんだねきっと(笑)」
 
って驚いてました(全部ブログに残してあるからね^^)。
 
あの時は、他愛もない会話ばかりだったけれど、5年ぶりに会って、毎晩遅くまでいろんな話をしました。お互いの旅のこと、家族のこと、仕事のこと、パートナーシップのこと、将来のこと。一度、真剣に語りすぎてケンカにもなりかけました(笑)
 
サニータがコペンハーゲンへ行ったのは、別れたパートナーと話をしてきっちりと関係にピリオドを打つためだったのだそう。たしか当時は、「友だちの所に遊びに来た」とだけ言っていたっけ。
 
サニータはレズビアンなので、「初対面のMioに、パートナーが女性だと言ったらどんな反応されるかわからなかったから、具体的には話せなかったんだよね」と。いまだに、仲の良い友人しか知らないんだって(わざわざみんなに言う話でもないだろうし)。
 
わたしも今回再会して初めてサニータがレズビアンだと知ったんだけど、「あ、そうなんだ」ぐらいにしか思わなかった。でももし、わたしがたくさん旅していろんな価値観に触れていなかったら、もっと保守的な考えを持っていたかもしれないなぁ。。
 
***
 
サニータは現在39歳で、ロンドンで生まれ育った女性ですが、両親がインド出身(Ponjabi=ポンジャビ)なので、インド式の伝統的な家族行事は守っています。
 
インドでは、誰かが遠くに旅行する前にご飯と魚料理をみんなで食べてから送り出す習慣があるということで、クリスマスイブの夜にインドへ発つサニータのお父さんとお兄さんを親戚みんな(サニータは8人兄弟!)で見送ったあと、クリスマスパーティーにも混ぜてもらいました!
 
home party
 
すごく仲が良い家族で、サニータは今でも週に2〜3回お母さんの家を訪ねているそう。でもサニータは10代と20代前半の時、二度も親に望まない結婚を強いられ、その後耐えきれずに逃げ出した経験もあり、なかなか親子間の確執は消えなかったと話してくれました。
 
(サニータの他にも、旅先で出来た友だちは何人もいるけれど、みんな、一瞬の出会いではわからないいろんな過去を背負っていて、それを積み重ねた先のどこかでわたしと出会っているんだな、不思議な気持ち)
 
全く異なるルーツを持ち、それぞれ違う理由で旅をしていたわたしとサニータの人生は、5年前のコペンハーゲンで偶然、交差したわけで。ちょっとしたタイミングがズレていれば、きっと出会うことはなかった2人なのに、今回こうやってサニータの家のリビングでワインを飲みながら夜な夜な話す日が来るなんて。
 
***
 
会っていなかった5年間で、お互いの環境にも大きな変化がありました。
 
当時サニータはAge UKというNGOで働いていましたが、その後は写真の学校に通い、今はフリーのフォトグラファーになることを考えています。いま何となく考えているのは、ムスリムの結婚式写真の専門カメラマンとしてやっていくこと(ムスリムの女性は、女性にしか写真を撮られてはいけないという決まりがあるので、これまで知り合いづてに何度か依頼されて撮ったことがあるのだそう)。でもフリーランスでやっていくのはなかなか難しいと言っていました。
 
一方5年前のわたしは、就職活動を終え、大学生活最後の夏休みを利用して2ヶ月間、世界一周航空券でトルコからスタートしてアフリカ〜ヨーロッパ〜北米をぐるっと旅しているところでした。「就職したら、長期で海外に行けることはなくなるだろうから、今のうちに!」と日本を飛び出したのが懐かしい。
まだあの時は、赤十字に入社する前で、まさかその4年後に退職して、イギリスの大学院に留学することになるなんて考えてもみなかった。。
 
image
***
 
わたしの人生は、この世に生まれた時から現在までくねくねと伸びている一本の道で、それは他のみんなの人生にも言えること。
自分自身の選択(と、目には見えない大きな力)によって伸びていく方向は変わっていく。
 
そして、いつどこで誰の人生とどんな風に交差するのか予想もつかない。道と道が交わった後、そのまま違う方向に伸びていって一生出会わない可能性もあれば、もしかしたら複数が合わさって太い道になり、共に伸びていくこともあるかもしれない。
 
それぞれが持っている色も違っていて、きっとそれは単色と言うよりもグラデーション。混ざった時にまた新しい色が生まれて・・・と考えたら、「世界中カラフルだなー!」ってワクワクする。
 
***
 
これが最後の長期海外旅行だと腹をくくって決行した5年前の一人旅では、どこの国でもユースホステルに泊まっていて、新しい部屋のドアを開けるたびに新しい出会いがあり、それと入れ違いで同室だった人との別れもありました。
「せっかく友だちになれたのにもう会えないんじゃないか」と思っていたから、”Good bye”を言うのが辛くて毎日泣いたり笑ったり忙しかった。サニータよりも早く宿を出たあの日もそうだったな。
 
でもわたしが生きているこの時代は、インターネットが発達して、飛行機も世界中を飛んでいて、ほんの少しの勇気(とお金と時間!)があれば、きっとまた会える。もちろんそれが可能なのは、恵まれた環境にいるからだということは忘れちゃいけないけれど。
 
だから今は、
”See you again somewhere in this small world!” (この小さな世界のどこかで、また会おうね!)
って笑顔で(でもちょっぴり涙目で)言えるようになった自分がいます^^
ちっぽけなわたしだけど、日本も含め世界中にカラフルな個性を持った友人がたくさんいることが何よりの誇りです。
 
これまで出会ってくださった皆さん、ありがとうございます。わたしには世界を丸ごと変える力はないけれど、少なくとも自分の道と交差した誰かの人生に新しい彩りを加え、ポジティヴな化学反応を生み出せる人でありたいです。
 
そしてまだ出会っていない、世界中の人へ。わたしは、自分の意思ではコントロールできない大きな力によって人生が導かれている、と何となく感じると同時に、「出会うべき人とは、然るべきタイミングで出会うことになっている」と信じています。うまく説明できないけれど、そんな気がする!お互いの人生が交差したときには、どうぞよろしくお願いします^^
 
***
 
さて、サニータのお陰でロンドンでの休暇を満喫したので、そろそろヨークでの大学院生活に戻ります。試験とエッセイ提出を終えたら、Spring term(春学期)がスタートします。
 
2015年も、たくさんの出会いと発見に満ち溢れた一年になりますように♬
今年もどうぞよろしくお願い致します!