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春学期(1~3月)の授業&活動まとめ

 
秋学期(9~12月)→クリスマス休暇(という名のレポート月間)→春学期(1~3月)→イースター休暇(という名の・・・)を経て、課題エッセイを先日提出しました(4月中旬)!わたしはプリセッショナルコースから受講しているので、7月下旬に渡英してからもうすぐ9ヶ月が経ちます。大学院留学生活も、残り半年を切りました。あっという間だな~。一息ついたら、修士論文の執筆に取り掛かります。
 
イギリスの冬は暗くて寒い・・・と良く言いますが、今年は比較的マイルドな気候だったようです。雪も積もるほど降ることはほとんどありあませんでした。3月下旬からだんだんと暖かくなってきて、うれしいです。キャンパス内を気持ちよく散策できる季節です♪
 
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さて、また一区切りついたので、春学期の授業&活動についてまとめてみました。
(秋学期のまとめはこちら→「秋学期(9~12月)の授業&活動まとめ」
 
■Spring Term(春学期:1~3月、10週)の週間スケジュール
 
↓1週間のわたしのスケジュール。実際は、週によって異なりますが、わかりやすく表にするとこんな感じ。
spring schedule
相変わらず、自習(Self study)の時間が多いです。学部によっては毎日授業がありますが、わたしの在籍している教育学部は、いかに自分を律してうまく時間管理するか?がカギになると感じます。
 
「勉強は楽しいけれど、何となく自分のいる環境が物足りない」と感じていた秋学期と比べて、春学期は新しい活動が増え、学部やキャンパスの枠を越えて交友関係が広がり、留学前に抱いていた問題意識を学術的観点から捉え直すことでモヤモヤが晴れてきて・・・充実した3ヶ月間を送ることができました^^昨年10月に始めたカフェバイトも、だいぶ慣れてきました!(もう、コーヒーマシーンを操作するのもコワくない!)
 
■新しく始めたこと①:教育系NGOでのインターンシップ
 
すでにブログに書きましたが、2月からグローバル教育センター(Centre for Global Education York)という教育系NGOで週1回のインターンをしています。学校の教師や生徒向けにグローバル教育のワークショップを開いている団体で、わたしがしているのはその運営やSNS管理の補佐業務です。オフィスで作業することもあれば、ワークショップ開催のために学校を訪問することも。オフィスは、ヨーク・セントジョン大学という、中心街(City Centre)の方にある大学のキャンパス内にあるので、毎週バスで通っています。
 
修士課程でもグローバル教育・シティズンシップ教育(市民教育)について理論的に学んでいますが、各学校でどのように実践しているか・どんな課題があるか・それをNGO(チャリティ団体)がどうフォローしているかということをインターンを通じて見聞きできるうえ、グローバル教育センター主催の教師向け研修は無料で参加させてもらっているので、とてもありがたいです。
 
■新しく始めたこと②:スカッシュ!!
 
週1回、GSAという学生組織が主催するスカッシュの無料セッションに参加し、汗を流しています。日本ではスカッシュをやったことがなかったのですが、バドミントンより少し難しいけれどテニスよりはやりやすい(個人的な印象)という感じで、ハマっています^^毎日毎日勉強ばかりしていると身体がなまるので、定期的に運動する機会を作ることは大切だな~と。夏学期も続けたいと思っています。
 
squash
 
■新しく始めたこと③:スペイン語レッスン
 
実は、秋学期に思い付きで受講し始めた古典ラテン語のクラスに出るのをやめました。ラテン語も意味がわからないなりに(笑)楽しかったのですが、春学期は「いま本当に自分が時間を費やすべきことに注力する」と決めたためです。その代り、授業が入っていた時間(水曜日の午前中)はPhD(博士課程)や他のMA(修士課程)の学生とお茶をしながら情報交換することに。「この人の研究テーマ、自分の関心と共通する所が多そう!」と思う人に出会ったら、とにかくお茶やランチに誘っていました。
 
ラテン語の学習は継続していないものの、もともと新しい言語を学ぶのは好きなので、たまたま友人から誘われて、別の友人(メキシコ出身)が開いてくれていたスペイン語のレッスンに毎週参加するように。わたしは大学時代にフランス語を学んでいたのでスペイン語は比較的頭に入りやすく(たまに混ざるけど)、毎回のレッスンでさまざまな学部の子たちと交流できることが良い機会になりました!
 
■新しく始めたこと④:他学部主催の公開講義・イベントへの参加
 
わたしが在籍しているのはMA in Global and International Citizenship Education(グローバル市民教育)というコースなのですが、上にも書いたスペイン語のレッスンや、わたしの必修モジュールを他学部から受講していた友人にMA in Applied Human Rights(応用人権学)在籍の子が多かったので、彼女たちと一緒に公開講義や学外のイベントに参加するようになりました。わたしも、シティズンシップ教育を研究するうえで人権教育(Human Rights Education)の視点も持っているべきだと考えているので、自分の関心テーマを積極的に周りに伝えることで、関連する情報を多く得られるようになりました。Facebook上でイベントページが作成されることも多いので、お互いに追加し合うのが習慣になっています(毎日のように何らかのイベントへの招待が届くので、取捨選択も必要ですが!)。
 
・・・さて、ここからは春学期の授業内容&エッセイ課題について書きたいと思います。
 
■Compulsory Modules(必修モジュール)
 
☆ Teaching and Learning Citizenship and Global Education(シティズンシップ教育&グローバル教育の教授と学習)
・Credits(単位):20
・Assessment value(成績比重):12.5%
・授業形式:講義(週1・120分)
・評価方法:イースター休暇明けにエッセイ(レポート)提出(4-5,000 words)
・内容:
 コースの核となるモジュール。秋学期は「シティズン(Citizen)」という概念の歴史的・理論的側面が焦点でしたが、春学期は(主にイングランドで)どのようにシティズンシップ教育が実践されているか、を学びました。以下、講義の一例です。
 
・教義の植えつけ、洗脳をどう回避するか
・主要教科(歴史や国語など)を通じた実践
・スクール・カウンシル(学校の生徒会)を通じた実践
・模擬選挙を通じた実践
・地域活動を通じた実践
・カナダ・オーストラリア・イングランドの教科書の分析
・シティズンシップ教育をどう評価するか
 
一応、モジュールのタイトルにはグローバル教育も含まれているものの、9割方、シティズンシップ教育についてでした。そのため、「グローバル」という名前に惹かれて受講した他コースの学生にとっては期待外れだったかもしれません。
秋学期と同様、毎週、講義の前にプレゼンをする担当者が決められていて、わたしは模擬選挙のプレゼンを担当しました。
 
最終エッセイのテーマは複数の中から選択でき、わたしが選んだのは「グローバル教育とシティズンシップ教育は同じかどうか?」。実は、教授(Ian Davies)が同じトピックでジャーナルに寄稿しているので、それとは新しい視点でエッセイ書くぞ!と意気込んで選んだのですが・・・むずかしかった・・・(涙)
 
グローバル教育とシティズンシップ教育の微妙な関係については、またあらためてブログにまとめられたらと考えています。修士課程でシティズンシップ教育を学ぶようになってから、日本で仕事していたときに当たり前のように使っていた「グローバル市民(地球市民)教育」という言葉が持つ(可能性のある)矛盾について深く考えることができたことは、大きな収穫でした。
 
■Optional Modules(選択モジュール)
 
☆ Contemporary Issues in Teaching(教育の現代的課題)
・Credits(単位):20
・Assessment value(成績比重):12.5%
・授業形式:講義(週1・120分)
・評価方法:イースター休暇明けにエッセイ提出(4-5,000 words)
・内容:
 わたしの指導教官が統括する、オムニバス形式(毎週、異なる先生が講義を担当する形)のモジュール。さまざまな教育の課題について幅広く知れたので、興味深かったです。一方で、各回の関連性があまり明確でない(それぞれの教授が自分のテーマを自由に講義する感じ)・学校教育にばかり焦点を当てすぎている、という点は残念に感じました(と、授業のフィードバックにも書きました)。
 
たしかに、教育のMAに在籍する学生(特に中国の子たち)は将来学校の教師になりたいという人が多いので、需要は多いのだと思いますが、「教育」は学校という枠にとらわれるべきではないと思うので・・・。3週目ぐらいから、「わたしはノンフォーマル教育に携わってきて、帰国後もその分野で仕事していきたいので、学校教育だけでない事例も取り扱ってほしい」と毎回の担当教授に伝えるようにしていました(講義のリクエストは、積極的に言うべき!理由が明確であれば、対応してくれる教授も多いです。また、個別に参考資料を送ってくださる方もいて、ありがたかったです)。以下、取り扱ったテーマの一例です。
 
・新任教師の課題
・学校における暴力
・評価方法
・生徒の健康と安心(Well-being)
・教師のモチベーションと満足度
・教室外での学習(Learning Outside the Classroom=LOTC)
・教室での言語
・トラブルを抱える生徒への支援
 
最終エッセイのテーマは選択式ではなく、自分で考えることになっていたので、休暇に入ってからもしばらく悩んでいたのですが・・・わたしは「移民の子どもたちを含むインクルージブ教育をどう促進するか?」という問いを立てて書きました。
 
内容としては、外国にルーツを持つ子どもたちの言語的な課題に焦点を当て、イングランド・フランスで実践されている言語教育を比較・分析したうえで、協働教育(Collaborative Education)やフィンランドで取り入れられている全身反応教授法(Total Physical Response)などが持つ可能性を示しました。
 
移民問題は、ヨーロッパでも長年の大きな課題であり、近い将来、日本でも取り組まなければならないことだとわたしは考えているので、個人的にはかなり関心のあるテーマなのですが、エッセイとしてのまとまりは、ちょっと自信がない・・・。悔しいなぁ。でも、今後も研究を続けていきたいテーマに出会えたことは大きな意味がありました。
 
ちなみに上記3つのモジュールの成績は、Spring term(春学期)の7週目(5月下旬)に発表されます。
 
■修士論文執筆に必要なモジュール
 
☆ Planning and Communicating Research(リサーチの計画と実践)
・Credits(単位):20(春&夏学期にまたがる)
・Assessment value(成績比重): ―(Pass/Failのみの評価)
・授業形式:講義(週1・120分)・たまにセミナーもあり
・評価方法:夏学期に提出の修士論文プロポーザル・倫理監査フォーム・口頭プレゼンテーション
・内容:
 修士論文執筆のためのリサーチの基礎を学びました。教育学部のMAに在籍する全学生(約200名)が一斉に大教室で受ける講義だったうえに、秋学期に受けたリサーチ・メソッドと内容が重複するところも多く、個人的にはあまり満足しませんでした・・・。もちろん、修士論文に関連して提出するべき書類がいくつかあるので、そういった情報を得るのには必要な授業でしたが、自分のプロポーザル(企画書)については個人的に早めのペースで進め、指導教官やPhDの学生にアドバイスをもらって仕上げてしまいました。
 
■その他(成績には入らないモジュール)
 
☆ Departmental English(英語)
・授業形式:セミナー(120分)
・内容:
秋学期はアカデミック・ライティングに重きが置かれていましたが、春学期は口頭プレゼンテーションの組み立てや練習が主でした。英語で、しかも人の前でプレゼンすることにニガテ意識があるという人にとっては役に立つモジュールだったかもしれません。わたしは正直、これ毎週やる必要あるのかな?と疑問はありつつ、授業の進め方が上手なチューターに恵まれたので、無駄だとは思いませんでした。別のクラスだった友人は、口をそろえて「あれ意味ない!!」と不満げだったので。
 
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わたしが春学期にしていた主な活動、授業はざっとこんな感じです。成績が発表される前に予防線を張るようなことは言いたくないのですが、今回は手ごたえがあまりなくて不安・・・(もちろん、単位を取れる=50点もらえるかどうか、の心配ではなく、Distinction=70点取れるかどうか、という意味です)。すでに秋学期の結果から採点の基準をなんとなくわかっているだけに、「う~ん!」という感じですが、ここからまた気持ちを切り替えて、修士論文の準備を再開します。
 
エッセイを提出した翌日に指導教官から「来週、ミーティングやるよ!」とメールが来て、「あ、休んでるヒマはないのね~」と一瞬で現実に引き戻されました。ありがとう、クリス・・・(笑)