IMG_9445

修士論文を提出しました!概要だけ載せておきます。

 
ついに!!!!!
 
IMG_9446
修士論文を提出してきました!!!!!
 
IMG_9445
一回目のデータ収集がうまく行かなかった時はヒヤヒヤしましたが・・・
何とか、提出期限(9月3日)よりも少し早めに提出することができました。
(わたしは何かと、最後の最後でヘマをやらかしがちなので、印刷後に万が一何かミスが見つかっても直せるように・・・と前倒しで終わらせました汗)
 
わたしの修士論文のテーマは、
“The Perceived Influence of Service-Learning on The Citizenship-Related Attitudes of Japanese Undergraduate Students”
 
意訳すると、「サービスラーニングがシティズンシップ関連の態度に対して与える影響について、日本の大学生がどう認識しているか」というものです^^
 
☆サービスラーニングとは、簡単に言ってしまうと「学校での授業(知識)」+「社会奉仕活動(経験)」+「リフレクション(振り返り)」がセットになった教育プログラム。日本では1990年代後半から徐々に導入する大学が増えてきましたが、まだ発展途上。
【参考記事】日本の大学教育改革と「サービスラーニング」導入状況
 
論文の頭(イントロダクションの前)に書いた、300語程度の概要(Abstarct)を英・日両方で載せておきます。実際の論文は13,000語ぐらいありますが「あ~、こういうこと論文に書いてたのね~」と何となく伝われば・・・!
 
**********
 

The main aim of this study is to explore the perceptions of Japanese undergraduate students regarding the influence of a university’s service-learning programme on their citizenship-related attitudes, such as their personal development, their personal interest and responsibility, and their behavioural willingness to participate in philanthropic and political activities.

 
(この研究の目的は、大学のサービスラーニング・プログラムがシティズンシップ関連の態度、たとえば自己成長や興味関心、責任感、慈善的または政治的行動への意欲などに与える影響について、日本の大学生の認識を調査することである。)
 

This dissertation explores the two main traditions of education for democratic active citizenship, English citizenship education and American service-learning, and presents a common critique for both approaches about the lack of political literacy aspects.

 
(この論文は、民主主義的アクティブ・シティズンシップのための教育における2つの主な様式である、イングランドのシティズンシップ教育とアメリカのサービスラーニングについてまず探り、次いで政治的リテラシーという観点の欠如という、両アプローチに対する共通の批判について示す。)
 

There has been a recent increase in attention to educational approaches regarding social participation in Japan and some universities have introduced service-learning programmes. Whilst some previous studies in the US have reported that service-learning can have a positive influence on the participants’ personal development, there are only a few studies regarding its influence on their philanthropic and political participation.

 
(日本では近年、社会参加を促す教育的アプローチに対する注目が高まっており、いくつかの大学ではサービスラーニングを導入している。過去のアメリカでの研究では、サービスラーニングは参加者の自己成長に対してポジティブな影響を与える、ということが報告されてきたが、彼らの慈善的または政治的参加への影響についての研究は、数が多くない。)
 

The main research question in this study is: How do Japanese undergraduates perceive the influence of service-learning on their attitudes after participating in the programme? The study focuses on a Japanese private university and the perception of undergraduate students who experienced service-learning in the last two years. Thirty-three students completed a questionnaire and five of these students were subsequently interviewed.

 
(この研究のリサーチ・クエスチョンは、「日本の大学生たちは、サービスラーニングが彼らの態度に与えた影響について、プログラム参加終了後にどのように認識しているか?」。ここでは日本のとある私立大学で、過去2年間にサービスラーニングを経験した学部生の認識に焦点を当てる。33名の学生が質問票に、うち5名がその後のインタビューに回答した。)
 

The findings indicate a low perceived influence of service-learning on the participants’ confidence in making a difference in society. Many students do, however, express a willingness to help others in difficulty, but their willingness to engage in political action is low.

 
(得られた結果が示すのは、参加者の認識として、「社会に変化を起こすことができる」という自信に対してサービスラーニング経験が与えた影響が小さかったということである。また、多くの参加者が「今後、困っている人を助ける」ことについての意欲を示したのに対して、「政治的行動に参加する(日本語補足:選挙での投票、政治的リーダーへの意思表明、デモへの参加など)」意欲は低かった。)
 

This dissertation argues that service-learning programmes can be successful in raising participants’ awareness of their interest in community issues to some extent, but it might not be enough to empower them to take action based on social justice activism. This dissertation suggests that well-structured reflection to understand the root causes of community issues and constructive dialogue and deliberation on controversial issues are required.

 
(この論文が主張するのは、サービスラーニング・プログラムは、地域が抱える課題に対する参加者たちの関心はある程度高めることに寄与できるが、彼らが社会正義の理念をベースに行動を起こすよう力づけるには不十分かもしれない、ということである。したがってこの論文は、地域の課題の根本的な原因について理解するための良く構成されたリフレクションと、物議をかもすような問題について建設的に対話・討議する場の必要性を提案する。)
 
**********
 
こんな感じです(かなりざっくりですが)。
 
自分のリサーチはあくまでもケーススタディで、論文に占める比重は、過去の文献研究(Literature Review)が大きいです。これまで行われてきた研究の中にあるギャップを自分なりに分析し、それを埋めるためのリサーチ・クエスチョンを立てて→結果をもとに議論を展開する、という流れです。
 
帰国後、報告会なり何かしら還元できる場があれば・・・と思いつつ、そこまで手が回るかちょっと不明なので、便乗できそうな機会があればお声掛けください(笑)。
 
ちなみに、現時点では修士論文を「提出した」というだけで、フィードバックがもらえるのは帰国後の10月、修士号取得の最終審査結果が出るのは11月の予定です。
 
☆そのほか、修士論文に関する過去の記事は「#修士論文」のタグでまとめてあるので、ご興味のある方はそちらからどうぞ~。