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【DEAR連載②】地元の人に愛されるチャリティ・ストリート(2014年10月号)

 
DEAR(開発教育協会)の会報誌「DEARニュース」で、隔月の連載記事を持たせていただいています。
タイトルは、【ヨーク大学院留学記〜イギリスに学ぶ地球市民教育〜】。
本来、DEAR会員限定の出版物なのですが、発行後に許可を得たうえでこのブログでも寄稿記事をご紹介します。
 
☆これまでの連載記事は、「DEAR連載」のタグからまとめて読めます。
 
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■第2回 地元の人に愛されるチャリティ・ストリート
 
ヨークの街の中心部、大聖堂からほど近い距離にある「グッドラムゲート(Goodramgate)」という通りは、地元の人々からは「チャリティ・ストリート」という愛称で呼ばれることがあります。長さにして500メートルほどのこの通りには、カフェやレストラン、日用品店の間に交じって、「Oxfam(オックスファム)」「British Heart Foundation(英国心臓支援基金)」などの慈善団体が運営するチャリティショップが6店舗(2014年9月1日現在)並んでいるためです。これらの店舗では、一般の人々から寄贈された中古の書籍や雑貨、洋服のほか、新品のフェアトレード商品などが販売されています。売上金額は各団体の活動費として使われるので、私たち消費者はそれらの商品を購入することで間接的に彼らの活動を支援できるというわけです。しかし、寄付を募るポスターなどが店内に貼られている以外はさほど宣伝色が強くないので、地元の人々は普通のお店と同じ感覚で買い物を楽しんでいます。
 
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British Heart Foundationが運営するチャリティショップ(許可を得て撮影)

 
いずれの店舗も、1~2名のマネージャーを除いて無給のボランティアスタッフによって運営が支えられています。メンタルヘルスを推進する慈善団体「Mind(マインド)」の管理マネージャーは、「このお店を運営するには週に220時間分の労働力が必要。商品の仕分けや値札貼り、陳列やレジ業務など、彼らの協力なくしては仕事が成り立ちません」と話します。各店舗のボランティアスタッフに活動頻度を尋ねてみたところ、「週1日午後だけ」という人から「週3日、30年間働いている」という人までさまざま。性別問わず、20~60代の幅広い年齢層のスタッフが活躍しています。
 
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Oxfamのチャリティショップで働くボランティアスタッフと筆者(写真左端)

 
ヨークの街にすっかり定着しているチャリティ・ストリートですが、テナント賃料の値上がりに伴い、経営難のため閉鎖した店舗も過去にいくつかあるとのこと。慈善団体の重要な収入源であるチャリティショップを存続させるためには、活動内容の充実だけでなく、店舗の経営管理能力がますます必要とされると言えそうです。
 
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