昨日、ポジティブサイコロジースクール代表の久世先生が講師を務める、ポジティブ心理学1日入門講座に参加しました:)
(写真:講座でいただいた「感情カード」)
ポジティブ心理学、と聞くと(なんか胡散臭いな)と思う人もいるかもしれませんが、当時全米心理学会会長のマーティン・セリグマン博士が創始した、21世紀の心理学の潮流とも言える新分野なのだそうです。
従来の心理学は、うつ病やPTSD、統合失調症などが主なテーマで、「マイナス5→0に回復」することを目指したものだったのに対し、ポジティブ心理学は幸福度、卓越性、最適機能などが研究対象で、「0からプラス5~10へ高める」もの。
簡単に言うと、問題を直すことよりも、強みを形成することを重視する心理学で、セリグマン教授と共同研究をしてきたクリストファー・ピーターソン博士は「ポジティブ心理学とは、人生を最も生きる価値あるものにするのは何かに関しての科学的な研究である」と説明しています。
わたしがポジティブ心理学に関心を持った背景
わたしはこれまで、赤十字での職務(ユース教育)やヨーク大学修士課程での研究(シティズンシップ教育)を通じて、「社会参加を促す(教育的)アプローチ」というテーマに向き合ってきました。
もちろん、そのような外側からの働き方も重要なのですが、次第に「自分で自分を認める(≒自己肯定)、自信を持つためのエンパワーメント」がベースにあるべきだとわたしなりに考えるようになり、「社会」だけでなく「個」への関心が高まってきました。そこで、ナラティブアプローチ、ストーリーテリングの可能性に注目してShare Your Storyというワークショップを始めたり、ポジティブ心理学について学び始めたりした・・・というわけです。
久世先生いわく、「ポジティブ心理学が1冊でわかる本」の著者であるイリーナ・ボニウェル教授はシティズンシップ教育の中でレジリエンスを教えているとのことなので、わたしがユース教育→シティズンシップ教育を経てポジティブ心理学に注目しているのは、あながち見当違いでもないのかも!と思っています。
ポジティブ心理学1日入門講座のトピック
有料講座だったので、詳しい内容まではここに記載しない方が良いのかな、と思いますが、約7時間の講座で学んだトピックは下記のとおりです!(以下、講座の案内ページより抜粋)
・ポジティブ心理学を使ったアイスブレイク
・ポジティブ心理学とは?
・ポジティブ心理学の4人の創始者たち
・最新のポジティブ心理学研究の動向
・幸福度を高める3つの生き方とは?
・ポジティブな感情とネガティブな感情の違い
・不安・怖れ・疲労感の感情に対処するには?
・充実した人生・キャリアの形成
・フロー体験とは?
・仕事でフローを体験するためのコーチングの実践
・有意義な人生、意義ある仕事の定義とは?
・自分の強みを把握する演習
・自分の理想像を知るための5分間の対話
・強みにもとづいたミッション・ステートメント
・講義の振り返りと受講者同士のネットワーク
講義と個人ワーク、グループワークのバランスがちょうど良く、ポジティブ心理学の基本についてざっと学ぶことができました。
ポイントとして、幸福度を高めるためには3つの生き方があり、それは
● 充実的な生き方をする:何かに無我夢中になるフロー体験の頻度を高める
● 快い生き方をする:快い感覚+快い感情(ポジティブ感情)を高める
● 有意義な生き方をする:自分が信じる自分より偉大な何かに、自分の強みを使って仕える
だそうです。
特に最近のわたしは、「自分のできないこと、足りないこと」に目を向けて悩みがちだったので、「自分を特徴づける強みを新しいことに活かす」というポジティブ心理学の考え方は、取り入れたいなと感じました。
ちなみに、ペアワークを通じて抽出したわたしの強みは・・・
(写真:イリーナ・ボニウェル博士の強みカード(Strengths Cards))
勤勉/学習/改善/好奇心/モチベーション/適応性 でした。
「手に入れたい強み」ではなく「すでに自分が持っている強み」を自覚し、それらを向上し行動に活かすにはどうすれば良いか?を考える、ことに焦点を当てる、というのがポジティブ心理学の大きな特徴だと感じました。
ポジティブ心理学の基本を学んでみて、感じたこと
割とネガティブな思考パターンに陥りがちなわたしですが、今回の入門講座に参加してみて、ポジティブ心理学は、無理やりネガティブ→ポジティブ思考に切替させるものではなく、あくまでもポジティブな要素(もともと自分が持っている強みなど)をさらに伸ばし、幸せに生きるためにはどうしたらいいか?を研究するものであること。つまり、「ネガティブ思考を真っ向から否定するためのものではない」ということを知れたのが大きな収穫でした。
世間で良く言われる「どんなときでもポジティブシンキング!!」みたいな考え方はいまいち自分に合ってないなぁ、と思っていましたが、「ポジティブな感情に目を向け、少しずつ増幅させ、長く維持させることでネガティブ感情を中和させる」という姿勢は割と腑に落ちました。
(ネガティブな感情に捉われがちなわたしが、それも何とかやって来られたのは、ポジティブな感情に対する感度も高いからかもしれないと気付きました。今後の課題は、ネガティブ感情よりもポジティブ感情をより養うことですね・・・)
また、幸福度を高める3つの道のうち「フロー体験」をするためには、①明確な目標、②挑戦と能力のバランス、③迅速で具体的なフィードバックという前提条件が必要だと学んだのですが、そもそも安心してフロー状態に入るための環境(周りとの関係性や、労働環境)も大事なのでは、と感じました。逆に、この3条件が満たされないときには(幸福度を高めたいと考えるのであれば)自分の身を置く場所を変えるのも一つの手なのかな、と。
参考書籍・動画
ポジティブ心理学について、学んでみたいな~という方のために、講座の最後にご紹介いただいたリンクをここで共有しておきます!いずれも、久世先生が代表を務めるポジティブサイコロジースクールのサイト内ページです。ご参考まで★
● ポジティブ心理学 本の書評と紹介|ポジティブ サイコロジー スクール
● 「TED」を観て幸福優位になろう! ポジティブ心理学者のTEDトーク7選 | マーティン・セリグマン教授「ポジティブ心理学」
ひさしぶりに1日かけてがっつり!学ぶ講座に参加してみて、やはり自分の関心に合った新しいことを学び続けることは良い刺激になると感じました。また何かインプットする機会があれば、ブログに書きたいと思います:)