├イギリス大学院留学

「3.11」から4年。「赤十字職員」ではなくてもできること。

 
昨年の3月末に赤十字を退職してから、はじめて迎えた3月11日。
今年は、これまでの「3.11」とは少し違う想いで過ごした一日でした。
 
赤十字職員ではなくなった今、被災地に職務として行くことはありません。そういった「直接的な」支援に比べたら、成果がすぐ見えにくい教育のフィールドでできることは「遠回り」すぎるんじゃないか。そう感じてしまうこともありました。
 
でも、防災や災害救護といった活動も、わたしが研究しているグローバル教育やシティズンシップ教育といったアカデミック(学術的)な視点も、持続可能な社会を作っていくためにはどちらも必要なことだと、最近やっと、自信を持って言えるようになりました。
 
work_tohoku
☆震災後、宮城に派遣された時の写真。あれからもう、まだ、4年。
 
*****
 
この世界は、本当に複雑にできていて、異なる立場の人たちがそれぞれの目的、思惑、理念を持って動いています。どれが正解だと言うのはむずかしい。
 
教育のアプローチひとつを取っても、学者全員が納得する答えはなく、それぞれのやり方に優れている部分、足りない部分が必ずあるのだ、ということが、最近になって良く見えるようになりました。ヨーロッパの教育は、日本では良い面ばかりクローズアップされがちですが、パーフェクトな方法なんて何ひとつないし、(学術的には)定義が曖昧なことも多いし、すべてが発展の途中だと感じます。
 
全てを理解しようとすると、頭の中がこんがらがって迷子になりかけるけれど、わたしは赤十字(だけでなく、その他複数の組織)で培った経験、そこで抱いた問題意識が根底にあるので、それらをアカデミックな視点で捉え直すことで、自分の立場がクリアになってきているのを感じます(特にここ1~2ヶ月)。
 
まだまだ学びたいこと、学ぶべきことはたくさんありますが、「シティズンシップ教育」という一つのレンズを通して、教育に対する自分の問題意識や、進んでいきたい方向などが、少しずつ頭の中で整理されてきました。今は、それを寄稿記事やエッセイ(レポート)、修士論文の形でまとめるべく、奮闘中です。ブログでも、引き続き発信していくつもりです。
 
*****
 
2011年3月11日に起きた東日本大震災から、4年。
悲しいことだけど、災害がこの世界からなくなることは、おそらくないだろうと思います。
 
それを前提に、ただ「忘れない」と言うだけではなく、過去の教訓をどう未来に繋げるか。
教育のフィールドで、何を伝え、持続可能な社会にどう貢献できるのか。
 
5年目に突入した今、その問いと問題意識を常に持ちながら、残りの大学院生活もじっくり腰を据えて研究に励んでいきます。
 

「違い」から生まれる対立を解決するには?【後編】

 
先日ご紹介した、ダイバーシティ(多様性)ワークショップ前編のレポート。
日本の学校の先生や教育系NGOのスタッフ、青年海外協力隊員として海外で活動されている方やワークショップのファシリテーションをお仕事にしている方など、たくさんの方々から反響がありました!読んでくださって、ありがとうございます。何かの参考になればうれしいです。
 
さて、今回の記事では、後編のレポートをお届けします。
 
☆前編をお読みになっていない方は、こちらからどうぞ↙↙
 
「違い」から生まれる対立を解決するには?【前編】
 
***
 
前回、Greenhill Primary Schoolの5年生クラスを訪問したのは約10日間前。前回のワークショップの時にお休みしていた生徒が2名加わり、今回は30人で行います。グローバル教育センターからはロジーナ、JZ、わたしの3名。クラスの担任・副担任(アシスタント・ティーチャー)の先生が2名、サポートに回ります。
 
■前回の振り返り(10分)
まずは、前回行ったワークショップの振り返り。ロジーナが一つひとつ質問を投げかけていきます。生徒は積極的に手を挙げるので、次々に指名して、答えを言ってもらいます(同じ生徒に偏らないように気を付ける)。
 
◎背中に貼ったシールでグループを作ったとき、どんな問題が起こったかな?
 
◎グループに入れなかった2人は、どんな気持ちがしたかな?
(ここで、10日前に行ったワークショップですが、その時の2人の顔をスタッフがきちんと覚えていて、直接質問をするのがポイント。)
(また、大人が期待するような答えを強要しない。2人のうち女の子の方は、「悲しかった」と答えましたが、前回「わかんない」と答えた男の子は、今回も「うーん…」と考え込んでいたので、ロジーナが「ハッピーだったかな?」と質問。その子は「うん」と答えましたが、それに対してロジーナは「そう考える人もいるかもしれないね。でも、排除(exlusion)されると悲しくなる人が多いかもしれないね」とフォローをしていました)
 
explanation
◎「The Island」の物語に出てきた島民と、漂流してきた男の人は、どんな違いがあったかな?そこで起こった問題と、島民の対応は何だったかな?
 
◎もしもイギリスの島全体が大きな壁で覆われたら、どんな問題が起こるかな?
(前回、「島の周りを高い壁で覆ったことによって、何が起こると思うか?」という質問に対して生徒たちはピンと来ていないようでしたが、今回は「自分たちの国が同じ状況になったら?」と考えさせる質問に自然に変えていました。
※また、一人の生徒が「島で育てられる食べ物が限られちゃう」と答えた際に、「パイナップルを普段食べる人?オレンジは?バナナは?」と簡単に手を挙げられる質問も加えることで、外から輸入しているフルーツが食べられなくなる、という日常生活に落とし込んだ視点も取り込んでいました
 
◎みんなの前で、イギリスに来たときの話をしてくれた女性の名前は覚えているかな?彼女はどこの国出身だったかな?コミュニティに参加するために、どんな行動を取ったのかな?
(ここで、前回は詳しく触れなかった時代背景も簡単な言葉で少し説明をします(ウガンダからインド系住民が追い出されたことなど)。また、ロジーナ生徒たちからの回答を踏まえながら、「多様性(diversity)や違い(difference)が問題を生み出すこともあるんだね」というまとめのコメントをしました)
 
 
■マンダラ制作の説明(10分)・作業(30分)
前回のワークショップ後半で、生徒たちは紙にマンダラ(自分にとって大切なものを文字や絵で表現したもの)の下書きを済ませています。今日は、それを基に布に直接描きこむ作業です。これが最終的に大きな一枚のキルトに貼り付けられ、クラスの壁に飾っておく形になります(下の写真は、他の学校で制作した例)。
 
DSC00715
線はフェルトペンで縁取り、大きなパーツの色塗りはパステル(布用)でやるといいよ、など説明をしたあと、各テーブルに画材を配布していよいよ作業スタート!前回お休みしていた2人には、個別で説明をします。
 
manadala_2students
 
「騒がない!」「立ち上がらない!!」と担任の先生に注意を受けながら(笑)、生徒たちはワイワイと作業に取り組みます。
mandala_all
 
ちなみに、前回の記事にも書いたとおり、このマンダラ作成のねらいは「自分が大切にしている/したいもの」をイメージした一人ひとりのマンダラを描き、それを全て並べてクラス全体で大きな作品にすることで、「多様性(ダイバーシティ)を認めあうコミュニティ」を可視化すること。最終的な作品に載せる宣言(statement)を考えるため、生徒たちが作業しているテーブルをスタッフが回り、「コミュニティの良い所って何だと思う?(What is good about community?)」と質問を投げかけ、生徒たちの意見を汲み上げます。
 
mandala_statement
☆生徒たちからは、こんなアイディアが出されました!
・友だちと楽しく遊べる。
・何か問題が起きたときに、みんなで解決できる。
・一つのチームとして、一人ひとりがベストを尽くせる。
・一人ぼっちにならなくて済む。・・・など
 
■短い絵本の読み聞かせ(15分)
さて、ここで一旦マンダラを描く作業を中断し、「TUSK TUSK」(David Mackee, 1978年)という短い絵本をスライドに映し、JZが読み聞かせをします。”TUSK”というのは、象の牙のことです。
ちなみにこの本は邦訳も出ているようです:「じろり じろり~どうしてけんかになるの」(デビット・マッキー著、はら しょう訳)
この作者は、「象のエルマー」などの絵本でも有名ですね(カラフルなパッチワークで描かれた象が主人公です)。
 
とても短いストーリーなのですが、簡単にご紹介しますね。
 
~あらすじ~
むかしむかし、黒い象たちとと白い象たちが、住んでいました。
彼らは、世界中のすべての生き物を愛していました。
ところが、お互いに憎み合うようになり、それぞれジャングルの反対側に分かれました。
ある日、黒い象たちは白い象たちを、白い象たちは黒い象たちを殺すことに決めます。
平和を愛する一部の象たちは、ジャングルの奥に逃げ込み、それ以来彼らの姿は見られなくなりました。
残った象たちは長い間戦いを続け、最後にはどちらも絶滅してしまいました。
 
tusktusk
何年かたったある日、平和を愛した象の孫たちがジャングルから出てきました。彼らはみんな、灰色の象でした。
それから象たちは平和に暮らしました。
しかし最近、小さい耳の象たちと大きい耳の象たちが、お互いをけげんな目で見るようになっています。
(おしまい)
*画像はこちらから取りました。
 
ここで、ロジーナが子どもたちに質問をします。
・どうして争いが起こってしまったのかな?
・なぜ灰色の象が出てきたのかな?
・このあと、物語はどうなると思う?
 
生徒たちは「大きな耳の象と小さな象が一緒になって、今度は中くらいの耳の象が生まれる!」
「でも鼻の長さが違ったりしたら、またケンカになるかも」
「牙の大きさとか・・・」
「しっぽの長さとか・・・」
 
そこでロジーナが、「そうだね。色とか耳の大きさとか、小さな違いがきっかけで問題が起きてしまうことがあるよね」と声を掛けます。
みんなの暮らしている世界でも、いろんな違いがあるね。信仰(faith)や領土(teritory)、言語(language)の違いは、戦争が起きてしまう理由の一つになりうるね。みんなが前回やったシールのワークショップや「The Island」の絵本でも同じように問題が起きたことを覚えているかな?何が欠けていたから、ああなってしまったんだと思う?」
 
すると一人の生徒が、「コミュニケーションが足りなかったんだと思う」と声を挙げました。
ロジーナはそれをフォローし、「その通り!コミュニケーションを取って自分の意思を伝えること、相手を理解しようとすることを大切にしないといけないね。みんなが持っている小さな違いを尊重することで、コミュニティが成り立つんだね。そのことをもう少し考えながら、マンダラを描いてみよう!」
 
※このワークを最初にやらず、マンダラ制作の途中にはさむ理由は?と後でロジーナに尋ねたところ、
・1時間通して作業の集中力を保つのが難しいので、少し手を休める時間を取るため
・ただの「お絵描き」で終わってしまわないよう、あらためてマンダラを作る理由を考えるため
だと教えてくれました。
 
■マンダラ仕上げ(30分)
いよいよ、マンダラ制作作業の最終段階。みんな「自分にとって大切なもの」を思い思いに表現しています♪
アイディアが煮詰まったり、うまく色を塗れなかったりしている子がいたら、スタッフが手を貸すこともあります。
また、「ここに書いてあるのは、家族の名前かな?」など作業中に声を掛けることで、生徒一人ひとりが描いているストーリーに耳を傾けます(中には、マンダラに込めた物語を語ってくれる子も)。
 
▼自分の国や、自然を描いたり・・・
student1
 
▼好きな歌手の名前や・・・(テイラー・スウィフトのファンだそう)
student2
 
▼家族や友だちの名前をぐるっと・・・
student3
 
▼フットボール、男の子たちに人気でした!
student5
▼前回よりも、今回の方がクラスの先生たちが積極的に関わっていたのが印象的でした。
teacher1
 
完成~~~!!!!!
 
finish1
 
finish2
 
finish3
 
無事、時間内に全員が満足のいく形で作業を終えることができました(学校の授業時間を使って行っているので、これがとても大事!)。スタッフがいくつかのマンダラをクラス全体に紹介し、「それぞれが大切だと思うものが、いろいろあるね!」とコメント。みんなのマンダラは一旦グローバル教育センターで預かり、1枚の布パネルに統合したあと、約4週間後にクラスへ返却、という流れになります。
 
■まとめ(5分)
最後に、ロジーナからコメント。
「これまでみんなで、多様性(diversity)や違い(difference)について考えてきました。これらが生み出す問題に焦点を当てるのか、それともその解決策を考えるのかによって、結果は大きく違ってきます。みんなが作ったマンダラは、1ヶ月ほどで教室に戻ってきます。それを目にするたびに、ここでみんなで考えたこと、話したことを思い出してね」
 
これでしばらく、自分のマンダラとはお別れだよ、と声を掛けると、一斉に「バイバーイ!!」と手を振った、かわいい生徒さんたちでした^^
 
***
 
さて、ここまでお読みいただいて、いかがだったでしょうか?グローバル教育やダイバーシティ教育の実践をされている方、またこういったテーマにご興味のある方にとって参考になる部分があればうれしいです。
わたしが2日間セットのワークショップに同行してみて、実践する上で大切だと思った主なポイントは以下の5つ。
 
◎一つひとつのワークをコンパクトにまとめ、生徒を飽きさせないこと。
・・・とにかくテンポが良く、無駄がありませんでした。でも、生徒が次々に手を挙げる質問の時には、どんどん指名して発言させていました。ワーク→質問→ワーク・・・と交互に時間を設けるのがポイントだと思います。
 
◎一方通行で「教える」のではなく、細かく質問を投げかけることで生徒から答えを「引き出す」こと。
・・・Educateの語源は、ラテン語で「外に導き出す」。まさにワークショップで必要なことだと思います。スタッフがコメントを出すのは、生徒から答えが出そろってから。先に大人の言葉でまとめてしまうことは避けているのが印象的でした。
 
◎どの生徒がどんな発言をしたか、把握しておくこと。
・・・たとえば前編のワークショップでグループに入れなかった生徒を覚えておいたり、まとめの段階で「さっきあなたが『コミュニケーション』という言葉を挙げてくれたように・・・」とフォローをしたり。全体に向かって話しながらも、一人ひとりをきちんと見ているよ、という姿勢を見せることが大切だと感じました。
 
◎シンプルな言葉に絞って伝えること。
・・・大人が簡単に使いがちな「差別(discrimination)」や「対立(conflict)」といった言葉を使わず、「多様性(diversity)」「違い(difference)」「問題(problems)」などの同じ言葉を繰り返し使うことで、生徒たちの理解を容易にしていると感じました。
 
◎「違い」があることのプラス面とマイナス面、両方をバランス良く伝えること。
・・・みんな違って素晴らしい!というだけでは非現実的。かといって負の部分だけを強調するのもNG。「ささいな違いで問題はすぐに起こりがちだけれど、それを解決する方法をみんなで考えよう」というメッセージを、ワーク全体を通してうまく伝えていました。
 
 
これからもわたしは、ヨーク大学修士課程で「グローバル市民教育」を理論的に研究しながら、インターン先のグローバル教育センターでワークショップや教師対象のトレーニング運営を実践的に学んでいきます。またのレポートをお楽しみに♪
 
☆グローバル教育センター(Centre for Global Education York)のウェブサイト
http://www.centreforglobaleducation.org/
 

秋学期の成績発表と、ひそかな野望について。

 
秋学期(Autumn term:10~12月)の成績が、2月中旬に発表されました!
 
studyinggirl_5
[Photo via everycollegegirl.com]  
 
わたしのメインモジュールは、エッセイ(レポート)が2本と、試験が1つ。
それぞれの結果と教授からのフィードバック、イギリスの大学院の成績基準などについてご紹介します!
 
☆それぞれのモジュールの具体的な授業内容については、以下の記事をご覧くださいね。
>>秋学期(9~12月)の授業&活動まとめ
 
■大学院の成績基準について
試験もエッセイも、50点以上で合格です。合格・不合格の中で、次のようにランクが分かれています。
 
☆Pass(合格)
Distinguished*(優) 100 – 70 *Distinctionと同じ。
Merit(良) 69 – 60
Satisfactory(可) 59 –50
 
☆Fail(不合格)
Marginal fail(埋め合わせ可能) 49 – 40
Outright fail (埋め合わせ不可)Below 40
 
エッセイの場合、70点以上取れれば上出来、80点代はネイティブでも滅多に取れないという基準なので、日本の大学の成績評価と比べると、「え?!こんなに低いの?!」と驚かれるかもしれません(ただし、ペーパー試験やプレゼンテーション、グループプロジェクトなどでは80点以上取ることも可能だと思います)。
 
なお、評価基準は細かく分かれていて、あらかじめ学生にも公表されています。エッセイで言うと、「内容・議論」「構成」「レファレンス(参考文献)等の使用」「語彙と表現」「文法」の5つのセクションごとに点数が付けられ、総合点数と全体のフィードバック(教授からの評価コメント)が返却されます。
 
ちなみに、試験もエッセイも自分の氏名を書いて提出することは禁止されており、試験番号のみ記入することになっています。つまり、評価の公平性を保つために、匿名で点数を付けられるということです。
実際は、誰が描いたのか、エッセイの内容からある程度推測できる場合もあると思いますが(例えばわたしは、クラスで唯一の日本人学生で、日本の人権教育をめぐる課題について書いたので、バレていることは間違いない。笑)、基本的には採点者には分からないよう配慮されています。
 
■わたしの成績発表!
こんな風に、オンラインで結果を見ることができます。不合格になることはまずないだろうと思ってはいたものの、やはり確認する瞬間はドキドキ。
 
Term1 Module Results
 
やったー!最高ランク(Distinguished)が2つと、2番目のランク(Merit)を1つもらえました!
 
エッセイについては、オンラインの結果だけでなく教授から個別のフィードバックをいただいているので、その全訳を(恥ずかしげもなく・・・)ここで公開します。将来、イギリスの大学院で勉強したいな、という方が少しでも雰囲気をつかめればと思います。
ただし、試験(リサーチ・メソッド:72点)については特に個別フィードバックはないので、ここでは省略します。
 
①Citizenship education(シティズンシップ教育):70点(Distinguished)
わたしのコース(グローバル市民教育)の必須モジュール。わたしは「シティズンシップ教育に関するイングランドのナショナルカリキュラムと日本の学習指導要領の比較検討」というタイトルでエッセイ(5,000語)を書きました。実は、担当教授が支持しているバーナード・クリック(イギリスがシティズンシップ教育を正式教科として導入する際、政府のアドバイザリーグループの座長として貢献した人)の施策を真っ向から批判する内容なので、教授にどう評価されるか内心ドキドキしていたのですが、思い切って書いたところ意外にも良い点数をもらうことができました。
 
***教授からのフィードバック***
☆Searching sources(情報源の探究)
素晴らしく幅広い資料を読み込んでおり、英語・日本語両方で書かれた文献を良く使っています。異なる分野の最新データや文献(政府資料から学術資料まで)を使っていることが評価に値します。
 
☆Analysing data and ideas(データとアイディアの分析)
とても良く書かれたエッセイです。重要な用語について明確なアウトラインを示し、相違点と類似点について興味を引き付けることで、あなたが選んだトピックの背景について注意深く描写しています。全体的に、あなたの議論は説得力があります。
 
私が思うに、あなたはOsler, Starkey, Figueroaによって主張されている立場の込み入った部分を、うまく言い紛らわせてしまう傾向があります(※おっしゃるとおり、この3人の主張の一部に偏りすぎたかなという反省あり)。Crick(クリック)は現代におけるシティズンシップの特性を明確に表さなかったという意味で責任があったかもしれませんが(※これはわたしのクリック批判(多様性尊重という視点の不足等)を受けたコメントです)、多様性に関する特定の問題への注目度を高めようとしていた圧力グループのアクションに対して抵抗しようとしていた、とも言えるかもしれません。
 
Kiwanの文献(特に人権教育について書かれたもの)とCrickの’essays on citizenship’(’friendly arguments’の章は大変興味深いです)をさらに読んでみると良いでしょう。
 
イングランドと日本の比較をする際に、各国の状況を個別に述べるよりも、ある特定の課題やテーマに絞ってもっと明確に議論を展開することもできたかもしれません。
 
☆Written communication(ライティングによるコミュニケーション能力)
ライティングも構成も良くできているエッセイです。
 
☆Other comments on the assignment(その他のコメント)
あなたは重要なトピックについて効果的に取り組みました。
 
☆Targets for improvement(改善に向けた目標)
Osler, Starkey, Figueroaの立場に反する主張についても考慮しましょう(また他の立場についても気を配ること)。これらのテーマについて、国家的な文脈ではないエッセイの構成も考えてみましょう。
 
IMG_7284
②Education and Social Justice(教育と社会正義):69点(Merit)
選択モジュールとして取っていた授業。「社会正義と人権尊重の促進は、教育者の役割か?」というタイトルを選んでエッセイ(5,000語)を書きました。日本の部落問題・同和教育を例に挙げ、人権教育をめぐる政治的対立について論じました。書いていて、私自身もかなり楽しかったですし、proof reading(文法やスペリングのチェック)をしてくれたネイティブスピーカーの方も「興味深い内容だった」と言ってくれたエッセイだったので、結構自信がありましたが・・・「私が70点以上を付けることはめったにない。昨年の最高点は69点」と教授が言っていたとおり、70点の壁を越えられませんでした(悔しい!)。でも期待通りの評価がもらえて自信に繋がりました!
 
***教授からのフィードバック***
☆Searching sources(情報源の探究)
人権教育についての定義と異なる視点を述べるにあたって、政策、経験に基づく情報源(ソース)の両方を上手く活用できています。
また、テーマについて詳しく言及することで、異なるソースに関するあなたの分析を完全に裏付けている点が評価できます。あなたはAPAスタイル(※教育分野の学生が使わなければならない、引用スタイル)に正確に、そして一貫して従っています。
 
☆Analysing data and ideas(データとアイディアの分析)
あなたの導入章(イントロダクション)は素晴らしいです。エッセイの背景(コンテクスト)と議論の要点を明確に述べています。
 
この複雑な課題に対する様々な視点について、完全に考慮できています。そのことによって、人権教育とそのメリットに関する単純かつ理想論的な議論の展開を回避できています。
 
あなたは、人権について(about)/のために(for)教えることの区別に触れています。その議論への理解を容易にするために、日本における大変興味深いケース・スタディ(※部落問題・解放運動を例示しました)を用いています。しかしながら、学術的な分析や批判の参照が不足しているため、やや記述的な議論に陥ってしまっている所が見られました。
 
☆Written communication(ライティングによるコミュニケーション能力)
あなたのライティング・コミュニケーションは大変素晴らしいです。あなたの文章は流暢で、文法もスペリングも間違いがありません。
また、流れるような明確な議論を組み立てるために、適切な言語を用いています。
このエッセイを通して、あなたの「声」がはっきりと聞こえてきて、熱烈な興味と自信を持って書いていることが伝わります。そのため、読み手を楽しませることができています。
 
☆Other comments on the assignment(その他のコメント)
(特に記述なし)
 
☆Targets for improvement(改善に向けた目標)
記述的な議論を避けましょう。ケース・スタディを引き合いに出したり、具体例を挙げる時にも、あなた自身の議論をサポートするために学術的な分析や議論を活用するように心がけること。
 
**********
 
■まとめ。
今回、イギリスの修士課程で初めて、エッセイ課題に成績評価が付けられました。そこから学んだ、高評価を得られるエッセイのポイントを自分なりにまとめてみます。どれも当たり前と言えばそれまでなのですが、やってみると簡単ではないものです…。
 
■「記述的(descriptive)」ではなく「分析的(analytic)」に。
・・・5,000語(A4用紙1枚およそ250語とすると20枚)のエッセイを1本書くために、少なくとも30以上の文献や資料を読み込むのですが、いろいろ読んでいざまとめようとすると、「この学者はこう言っています、他の人の意見はこうです、結論はこれです」と既存の議論をうまくまとめただけのエッセイになってしまいかねません。
でもそうではなく、「こういう主張が出されています、でもこういう批判も考えられます」と自分なりの新たな視点を加えて議論を展開しなければ、高評価はもらえません(もちろん、それを裏付けるための学術的な論拠がさらに求められるのですが)。
 
実は、学期の途中でアウトライン(1,000語)を出した時点では、どちらのエッセイも「良く書けているけれど、記述的すぎる(批判的分析が足りない)」という指摘を教授から受けていました。それでも合格点(50点)はもらえるのですが、70点を取るためにはもっと分析的な議論が必要だと言われたので、冬休み中は文献を読み漁り、「この学者が言っていることや、世間的に評価されていることは、本当に正しいのか?」という視点で自分のアイディアを組み立てるようにしました。
 
■お行儀の良いエッセイよりも、教授に挑戦を挑むつもりで。
・・・前にも少し書きましたが、わたしの必須モジュールである「シティズンシップ教育」のエッセイでは、(最初はそんなつもりはなかったのですが、最終的に)教授が支持しているクリック・レポートを批判的に考察しました。教授の立場に真っ向から異を唱える内容だったので、論拠不足な部分はすぐに見抜かれる(つまり点数に繋がらない)だろうな・・・と内心怯えていたのですが(笑)、返却されたペーパーを見てみたところ、挑戦的に議論を展開した部分ほど教授のチェック(=高評価のポイント)が付けられていました。日本では「いかに正解に近い答えを出すか」にこだわってきたように思いますが、日本の学校で良い点数がもらえる「作文」とイギリスの大学院で高評価が付けられる「エッセイ」は明確に異なるものだということを実感しました。
 
■「書きやすそう」なタイトルよりも、読み手に熱意が伝わる「書き甲斐のある」ものを。
・・・特に今回、「教育と社会正義」のエッセイでは、私が元々強い問題意識を持っている人権教育について取り上げたので、かなり熱が入りましたし(文字通り、知恵熱が出るんじゃないかと思うぐらい、書いていて興奮しました笑)、書き終えた後の手応えもありました。そのため、「読み手を楽しませている」という教授からのコメントは、本当にうれしかったです。
 
自分でタイトルを考えられる修士論文と違い、学期末に課題(assignments)として出されるエッセイのタイトルは教授から与えられた複数の候補の中から選んだものです(※自分で考えるモジュールもありますが)。数週間かけて執筆するエッセイなので、「書きやすそう」に見えるタイトルよりも、「書き甲斐がありそう」なものを選んで、苦しみながら書く方がよほど身になると思います。その点、「イギリスのシティズンシップ教育と比較することで、日本の教育について客観的に研究したい」という明確な意思を持って大学院留学して正解でした(書きたいテーマがある程度決まっているので、熱意を持ってエッセイに取り組めるからです)。
 
**********
 
さて、やっと秋学期の成績が返却されたところですが、あと3週間で春学期が終わり、次の課題が待ち受けています。また引きこもりの日々が始まる・・・(笑)。決して楽ではありませんが、今回で何となくコツがつかめたような気がするので、気持ちに少し余裕が出来たかな?
 
実は、わたしには一つ大きな目標があります。それは、
MA with Distinction(「優」評価の修士号)を取ること
です!
そのための条件は、「修士論文を含めて、全モジュール平均で70以上のスコア」
わたしの秋学期の成績平均は、(72+70+69)÷3=70.3・・・ギリギリ!
なので、春学期はこれ以上の成績を取れるよう、引き続き頑張ります。
 

「違い」から生まれる対立を解決するには?【前編】

 
イギリス・ヨークの大学院で市民教育(シティズンシップ教育)を学び始めてから、半年が経ちました。
1月から春学期(Spring term)が始まり、授業数が一つ減ったこと、また実践を通じて市民教育・グローバル教育に触れる機会を作りたいと思ったことから、今月(2月)よりグローバル教育センター(Centre for Global Education York)※でインターンを始めました!主に、SNSを通じた情報発信と、学校でのワークショップ運営サポートが主な内容です(日本にいた時に、パラレルキャリアとしてやってきたことがイギリスで生かされるとは!)。
 
※グローバル教育センターとは?
1982年設立。市民教育やグローバル教育をテーマに、教員向けの研修や学校でのワークショップを実施している、ヨーク拠点の教育NGO。以下の8つをメインコンセプトとしています。

• Values & Perceptions(価値と視点)
• Human Rights(人権)
• Sustainable Development(持続可能な開発)
• Interdependence(相互依存)
• Conflict Resolution(対立の解決)
• Social Justice(社会正義)
• Diversity(多様性)
• Global Citizenship(グローバル・シティズンシップ)

センターの成り立ちについてはこちら(日本語)→http://www.dear.or.jp/uk/menu01.html
 
さて、今日は初めて小学校での「マンダラ・ワークショップ」に随行させてもらったので、その内容をシェアしたいと思います☆
 
***
 
今回ワークショップを実施したのは、Greenhill Primary Schoolという公立小学校(State school)の5年生のクラス(Year5)。男女比率はほぼ半々で、全体の人数は28人です。
以前、グローバル教育センター主催の教員研修に参加した先生からの依頼で、ワークショップを実施することになったそうです(ただし先生は当日の進行に携わらず、グローバル教育センターのスタッフが行います)。
マンダラ・ワークショップは2時間×2日間がセットになっていて、今日はその初日。翌々週に後半を行います。
 
■導入(10分)
今日のワークショップの趣旨説明。「違い」があることで生まれる問題をどう解決するか?ということを学びます。最初にスタッフのロジーナが「このクラスの中で、違う国出身の人はいますか?」と質問を投げかけたところ、半数ぐらいの生徒が手を挙げました(ヨークの学校にしては珍しく比率が高い)。イラン、パキスタン、アルジェリアなどから来ているとのこと。「僕、イタリアのクォーターだよ!」と元気に教えてくれた子も。ちなみにスタッフも出身がバラバラです(イギリス、カリブ、ウガンダ、そしてわたしが日本)。
 
DSC00693
■色分けゲーム(30分)
生徒が輪になって立っている状態で、私も含めスタッフ4人が彼らの背中に丸いカラーシールを貼っていきます(黒、オレンジ、白、紫の4色×7人ずつ)。つまり、みんな自分に付いている色は見えません。そのあと、「声を出さずに」同じ色同士の人が集まってグループを作るというワーク。「話す以外にどんな方法でコミュニケーションを取ったらいいかな?」という問いをあらかじめ出しておきます。いざゲームが始まると、ヒソヒソ声で話してしまう子もいるので、「ささやくのもダメ!」と釘を刺す必要があります。
 
DSC00698
無事に4グループに分かれられたところで、「話しちゃいけない中で、どうやって工夫したのかな?」と聞きます。子どもたちは、「教室に貼ってあるポスターを指さして、友達の背中に付いている色を教えた」、「同じ色の子を身振りで呼んで集めた」と答えてくれました。
 
さて、ここで背中のシールをはがして、もう一度輪になります。「今度は新しいシールを貼るから、また同じようにグループを作ってね。さっきよりも効率よく、素早くできるように工夫してみて!」と伝えます。実はこの2回目は、2人だけどの色にも当てはまらないシールが貼られる(ピンク色の四角と、銀色の星型)のですが、それはスタッフしか知りません。
 
DSC00701
一度同じアクティビティをやっていたので、今度は簡単・・・なはずが、ここで問題が起こります。どのグループにも入れない生徒が2人。他の生徒に何度も背中を確認されるも、首を振られてしまい、教室の真ん中にポツンと残ってしまいました。ここで、ロジーナが聞きます。「どうしてグループに入らないの?」。すると生徒たちは「シールの色が、2人だけ違うんだ」。クスクスと笑っている子たちもいます。あぶれてしまった2人に「どんな気持ち?」と答えると、ピンクのシールの女の子は「仲間はずれみたい・・・」、銀のシールが付いた男の子は「うーん・・・わかんない」。
 
DSC00703
ロジーナがここでまた問いを投げかけます。「本人たちは、他に選択肢がなかったのに仲間に入れなかった。この状態を、排除(Exclusion)と言うんだよね。じゃぁ、どうやってグループに入ったらいいと思う?何か良いアイディアはあるかな?」すると生徒たちから、「一番近い色のグループに入る。ピンクはオレンジに近いし、銀は白に似ていると思う」「人数が少ないグループに入る」「自分の行きたいところに入ればいいんじゃない?」と口々に答えました。
 
生徒が席に戻ったあと、「もし自分がさっきの2人の立場だったら、どう感じるかな?」とロジーナが尋ねると、「寂しい」「ハッピーじゃない」「みじめな感じ」と答える生徒たち。「では、実際にああいう経験をしたことがある人?」という質問にも、たくさんの手が挙がりました。ここで次のアクティビティに移ります。
 
■絵本の読み聞かせと議論(30分)
色分けゲームで体を動かしたあとは、「The Island」(Armin Greder, 2008年)という絵本をスクリーンに写し、スタッフのJZが読み聞かせをします。読む前にロジーナが生徒たちに問いかけた質問は2つ。「島民たちの反応はこれで良かったと思うか?」「この島は、住むのに良い場所だと思うか?」
 
DSC00706
わたしが調べてみた限りでは、この絵本の邦訳が出ていないみたいなので、簡単にあらすじを書いておきます:
 
~あらすじ~
とある島の海岸に、何も服を着ていない、見知らぬ男が流れ着く。一体彼が誰なのか、どこから来たのか、何を必要としているのか、誰にもわからない。彼を見つけた一人の漁師が「このまま海に戻したら、彼は死んでしまう」と心配したため、島民たちはしぶしぶ島に迎え入れ、ヤギの檻の中に入れることにする。
 
島民たちは次第に、その男が食べ物と助けを必要としていることに気が付くが、教師や聖職者でさえも彼を助けなくて済む言い訳を探す。「彼に全部食べ物を食べられてしまうかもしれない」「私たちよりも安い賃金で働かせることができるのでは?」「でも厨房で彼を働かせたら、誰もうちの宿で食事をしたがらないに違いない」「どうやら彼は骨を食べるらしい」「このままでは私たち島民を殺すのではないか」― 憶測が飛び交い、次第に島全体が彼を恐れるようになる。
 
やがて、島民はその男を無理やり海に追い出すことに決める。そして、もう二度とよそ者が島を見つけて侵入することのないよう、島全体を高い壁で覆ったのだった。
 
The Island
・・・というストーリーです。無表情な「よそ者」と、恐怖や嫌悪感を抱く島民の表情が、なかなか恐ろしいイラストで描かれています。
このお話と、最初にやった色分けゲームでの学びを踏まえて、生徒たちに質問を投げかけていきます。
 
漂流してきた男と島民は、お互いの言葉が理解できない中、どうすればコミュニケーションを取れたか?
→ 生徒たちも色分けゲームの時に「話してはいけない」という制約があったことを思い出させます。「おなが空いていることをジャスチャーで伝える!」「食べ物を指さす!」などの答えが挙がりました。
 
島民たちが彼に対してしたことは、良い方法だったか?(NO、という声が上がったので)自分ならどうしたと思うか?
→ 「食べ物を分ける」「温かいお風呂に入れてあげて、服を着させる」「家でもてなす」などの反応がありました。
 
本当にその男は島民を殺してしまう危険があったと思うか?
→ これに対する生徒の反応はさまざまでした。「いつ何をするか誰にも分からない」「ヤギ小屋の中にナイフがあったら使うかも」と答えた生徒も。また、「弱っているから、そんな力はなかったと思う」「島の人たちが勝手に想像を膨らませただけ」という意見も。差別や偏見、という言葉は出たわけではありませんが、「よそ者に対する漠然とした恐怖」というのは感じ取ったようでした。
 
最後のシーンで、島の周りを高い壁で覆ったことによって、何が起こると思うか?
→ この質問は、最初ピンと来ない子も多かったように見受けられました。ロジーナが「外に出られないし、中に入って来られないとしたら?」と言葉を補うと、「休暇中、島の外に遊びに行けない」「海水や魚を採れなくなる」「島の人が病気になっでも、外のお医者さんに診てもらえない」などの答えが出ました。
 
DSC00705
■ストーリーの共有(15分)
ゲームと絵本を通じて、「違いによって起こる対立とその解決」について考えてきた子どもたちに、ボランティアのマドゥが、40年前にウガンダからイギリスへ移住してきた時に経験した自分のストーリーを話します。
(背景について補足:ウガンダは1894年にイギリスの植民地とされ、1962年に英連邦王国の一員として独立。1970年代のウガンダでは軍事政権による独裁政治が敷かれ、インド系住民が多数追放されました)
 
~ストーリー~
わたしは1973年に、両親と共にイギリスへ移住して来ました。他に選択肢はなかったのです。最初はロンドンにいましたが、その後結婚し、ヨークに移りました。知り合いは周りに誰もおらず、「外国人」である自分に話しかけてくる人はいませんでしたし、こちらから挨拶をしても無視されていました。生後18ヶ月の子どもを抱えて、夫が働きに出ている間は良く一人で家で泣いていました。
 
そんなことが続いていたある日、私はある賭けに出ることを決めました。隣の家のドアをノックし、こう言ったのです。「しばらく私の子どもの面倒を見てください」。そして返事も待たずに息子を預け、私はその場を離れました。
相手は、会話も交わしたことのない人です。もしかしたら、自分の子どもがひどい目に遭わされるかもしれない。怒鳴り込んで来るかもしれない。そういう不安ももちろんありました。でも、誰も私にチャンスを与えてくれないなら、自分からチャンスを取りに行くしかない。一か八か賭けてみよう。そう思ったのです。
 
そして30分後、私は再びお隣さんを訪ねました。「うちの子は、ご迷惑をお掛けしませんでしたか?」そう聞くと相手は、「全然!すごく良い子でしたよ。声を掛けてくれれば、いつでも面倒を見ますよ!」実際、彼女はとても優しい女性だったのです。それまでは知らなかっただけで。すると翌日、彼女から「良かったら、紅茶を飲みに来ませんか?」とお誘いがありました。こうして私は、イギリスに来て初めての友達ができたのです。
 
DSC00711
その年の冬、私は大量のクリスマスカードを買いました。夫は「友達もろくにいないのに、そんなにたくさんのカードをどうするつもり?」と不思議がっていました。私は「メリークリスマス」のメッセージに、夫、自分、息子の名前を添えてせっせとカードを書きました。そして、自分が住んでいるストリートにある家 一軒一軒のポストにそれを投函していったのです。数えてみたら、全部88枚ありました。そうしたら、3人がクリスマスカードの返事をくれたので、私はとても嬉しかったの!
 
私がウガンダからイギリスに来た時、誰も相手にしてくれず、一人ぼっちでした。それが今では、毎年100人以上の友達からクリスマスカードをもらうようになったのです。待っていても、誰もチャンスをくれるわけではなかった。だから私は、自分からチャンスをつかみに行ったのです。これが、私のストーリーです。
 
■ここまでのまとめ(10分)
色分けゲームで、「少しの違いが排除につながること」を体験し、解決策を探し、
絵本を通じて「排除を生み出す原因と背景」について客観的に考え、
マドゥのストーリーを通じて「排除される側の気持ち」を知る
というプロセスを辿ってきた子どもたち。
 
• どうしたら、「排除」が起こることを止められるかな?
• 私たちは一人ひとりユニークな存在で、それぞれが素晴らしい。だから、みんな違って当たり前。
• 誰とも「違う」けど、「似ている」ところもたくさんあるね。
• お互いの存在を尊重し合うことで、ハーモニー(調和)が生まれるんだね。
 
そんなことをロジーナが話し、今日最後のワークへと移ります。
 
■マンダラのアイディアスケッチ(25分)
グローバル教育センターが学校で行うワークショップでは、最後にクラス全体でマンダラ(Mandala)を制作します。
マンダラ?・・・漢字で「曼荼羅」と書けば伝わるでしょうか。日本語だと仏教の世界観を表現した絵画を思い浮かべると思いますが、英語だとヒンドゥー教をはじめさまざまな宗教で「宇宙」を表すスピリチュアルなシンボルを指すようです。
 
このワークの目的は、「自分が大切にしている/したいもの」をイメージした一人ひとりのマンダラを描き、それを全て並べてクラス全体で大きな作品(布)にすることで、「多様性(ダイバーシティ)を認めあうコミュニティ」を可視化すること。出来上がったものは、教室の壁に飾り、いつでも振り返れるようにします。
 
DSC00715
まずロジーナをJZが、他の学校の生徒たちが作ったマンダラや、いろんな国の人たちが描いたデザインを子どもたちに見せます。それぞれ、基本の形(円や六角形など線対称)は同じですが、描かれているイラストや色、模様はさまざま。たくさんの例を見せることで、ルールに囚われず自由に描いていいことを伝え、自分の作りたいイメージを良く考える時間を与えます(生徒たちの目が輝いていたのが印象的でした!やはり、実際に手を動かし何かを創り出す時間が必要なんだなと感じました)。
 
イメージが膨らんできたところで、マンダラの基礎だけ印刷されている白黒印刷の紙を一人ひとりに配布します。
 
DSC00718
 
DSC00723
DSC00724
DSC00727
すぐに描き始める子、しばらく考えてから取り掛かる子などさまざまでしたが、みんな生き生きと取り組んでくれました!今日(前編)は鉛筆で下書きをし、次回のワークショップ(後編)で色を付けて完成させる、という流れになっています。
 
***
 
こうして文章にしてみたら、かなりのボリュームになってしまいましたが!グローバル教育・ダイバーシティ教育などに関心のある方にとって、何か一つでも参考になるポイントがあれば嬉しいです。わたしも帰国後は、再び教育ワークショップの企画・運営に携わりたいと考えているので、自分にとってのヒントという意味も込めて。
 
マンダラ・ワークショップの後編は、今月23日にまた学校を訪れて開催しますので、またレポートします♪
 
【追記】レポート後編もアップしました。
「違い」から生まれる対立を解決するには?【後編】 | 齋藤実央 Official Blog 【Enbook】
 

【修士論文】プロポーザル提出、執筆スケジュール

 
修士課程(MA)が始まってまだ4ヶ月弱しか経っていませんが、
そろそろ修士論文について考える時期です。
イギリスのMAは1年間と短いので、立ち止まっているヒマはないのです・・・
(そのため、イギリスへ大学院留学を考えている人は、修士論文で書きたいテーマについて渡英までにある程度考えておく必要があると思います!)
 
■指導教官について
 
指導教官(supervisor)はMAが始まってすぐの段階でランダムに充てられていて、秋学期中も月に一度のペースでミーティングがありました。その時は、修士論文についてというよりも、普段の授業について疑問や不安がないかどうか確認をする場、という感じでした。1人の教官に対して4人の学生が付いていて、全員集まってミーティングをしていました。
 
chris_and_mio
左が、わたしの指導教官であるクリス(Chris Kyriacou – Education, The University of York)。
 
その後変更がない場合にはその教官のもとで修士論文を書くことになります。
自分の書きたいテーマに近い分野で研究されている教授に付くのかと思いきや、そういうわけでもなさそうです。わたしの専攻コースは「市民教育(シティズンシップ教育)」ですが、指導教官のクリスは心理学で学士(BA)を取り、ロンドンの学校で数学の教師をされたあと、教師のストレス(つまり教育の心理的側面)をテーマにケンブリッジ大学で博士(PhD)を取った方。市民教育の専門ではありません。
 
ただ、わたしの場合、幸運なことに自分が書きたいテーマがクリスの関心分野にとても近いことがわかり、プロポーザル(企画書)のドラフトを見せたところ「いいね!面白くなりそうだね!」と喜んでいました。わたしとしても、やりやすい!
 
■わたしの修士論文のテーマ
 
さて、肝心の論文テーマについて。
わたしは渡英前から関心分野が明確で、『コミュニティ活動が日本の大学生の市民意識に与える影響』について研究したいと考えています。具体的には、
 
・自己効力感(Self-efficacy)や自尊感情(Self-esteem)など自分自身の捉え方
・共感(Empathy)や市民としての責任意識
・ボランティアや寄付など慈善的行動への態度
・選挙での投票や政府への働きかけなど政治的行動への態度
 
などを考えています。特に、慈善的行動と政治的行動との間にはギャップがある(たとえば社会問題に関心があり、ボランティアに対しては積極的だが政治に対しては消極的)と感じているので、そこにも注目したいと。
 
【追記】イギリスのシティズンシップ教育でも柱の一つとされているCommunity involvement(コミュニティ参加)には、大きく分けると3つの実践方法があります。
 
①Volunteerism(ボランティアリズム):いわゆる「ボランティア」。自発的な活動。
②Community service(コミュニティ・サービス):自発的な活動とは限らない。
③Service-learning(サービスラーニング):学校の講義+コミュニティ活動+振り返りがセット。
 
私の研究では、まだ日本では実践例の少ない③サービス・ラーニングに焦点を当てることにしました。
 
わたしはこれまで、赤十字やYMCAなどの青少年教育プログラムに携わる中で、
 
・学生時代:ボランティアに意欲的に取り組んだとしても、一過性の「体験・思い出」で終わり就職活動の時期が来る

・就職活動:自分自身の価値や社会との繋がりについて考えるよりも、企業からの内定を勝ち取ることが目的になる(ボランティア経験は、履歴書やESを「飾る」一要素でしかない)

・卒業後:「会社で働いて稼ぐ=社会人」という捉え方が一般的で、「一個人としてどう社会に参加するか?」という姿が見えず、道に迷う(学生時代のボランティアが、長期的なコミットメントに繋がらない)
 
というスパイラルに陥る10~20代の若者を多く見てきたので(いやわたしもまだ若いけれども)、日本における学生コミュニティ活動の課題と可能性をシティズンシップの観点から研究することで、日本の市民教育(特に若年層の社会参加)の発展に少しでも寄与できるような論文を執筆したいと考えています。
 
■研究・執筆のスケジュール
 
3月中旬(春学期の10週目):プロポーザル(Dissertation proposal)のアウトライン提出
※わたしは1月下旬の時点ですでに出しています。前倒しで進めたい!
 
4月中旬(夏学期の2週目):最終版のプロポーザル、倫理監査フォーム(Ethics audit form:研究が倫理的に問題がないことを説明するもの)提出
※これが受諾されるまでは、リサーチデータを集めてはいけないことになっています。
 
4月中旬~5月中旬(夏学期の2~5週目):修士論文に関するプレゼンテーション(10分間)
※研究を進めるためには、これをPassする必要があります(細かい点数は付かないよう)。
 
5月:データ収集(文献研究、質問票によるアンケート、インタビューなど)
– 質問票ドラフト作成(上旬)
– パイロット(テスト)調査(中旬)
– 質問票の配布(本番)(下旬)→事後インタビューは6月にかかりそう
 
6月:データ分析
 
7月:ドラフトを指導教官に提出→フィードバックをもらう
 
8月:論文完成・印刷・製本
 
9月頭:論文提出
 
・・・と、このようなスケジュールで進める予定です。
 
■1~2月(春学期前半)の間にしておくこと
 
わたしの場合は、すでにプロポーザルのアウトラインが出来ているので、今はひたすら文献を探す時期です。
というのも、「修士論文では完全オリジナルな内容は求められていない(というかそれは難しい)」ので、先行研究に自分自身の仮説や問い(Research questions)を加える形で執筆するのが通常のスタイルなので、いかに自分の研究にとって意義のある文献を探し、批判的に読み解くか、がカギとなるわけです。
 
あとは、2週間に一度のペースである指導教官とのミーティングや、博士課程の学生の協力を得ながら、2月中には骨組みやリサーチ対象を固めたいと思います。
 
論文提出まであと7ヶ月。ベストを尽くします!
 

秋学期(9~12月)の授業&活動まとめ

 
秋学期の最終試験・エッセイ提出が無事に済んだので、10~12月に受けていた授業の内容などをちょこっとご紹介したいと思います。あくまでもこれはヨーク大学院のグローバル市民教育・修士課程(MA in Global and International Citizenship Education)2014-15年のケースで、大学・コースによってだいぶ異なることをご了承ください!
 
yorkuni
☆ヨーク大学のメインキャンパスです♪
 
■年間のプログラム概要
 
まず、MA(修士号)を取るためには年間で180単位取る必要があります。全員がこの単位数ピッタリのモジュールを取ることになっているので、実質ひとつも単位を落とすことができません。もしも「モジュール(120単位)は全部取れたけど修士論文(60単位)は書かなかった」という場合にはMAではなくthe Postgraduate Diploma(ディプロマ)を取得することになるようです(わたしはもちろん修士号を取ります)。
 
**********
 
■Autumn Term(秋学期:10~12月、10週)の週間スケジュール
 
↓1週間のわたしのスケジュール。実際は、授業時間が変更になったり、イレギュラーな予定が入ったり、友達と出かけたりする日もありますが、わかりやすく表にするとこんな感じです!
 
autumn schedule
 
黄色い部分が授業なのですが、「意外と少ないな」と思われるかもしれません(実際、わたしも最初はそう思いましたw)。でも、イギリスの大学院ではSelf study(自主学習)が重視されているので、授業の予習・復習(主に文献を読む)に多くの時間を割く必要があり、実際はそんなにヒマではありませんでした。
 
とはいえ、去年在籍していた先輩から「忙しすぎてバイトする余裕はないよ」と聞かされていたほどではないかな?と個人的には思います。時間管理がうまくできる・文献を速く読むことに苦手意識がない人であればどうにかなるかと!上の表では土日両方にバイトが入っていますが、週によってはシフトに入らないことも。平均すると、週に10~15時間働いていました。
 
わたしはあらかじめピンク色の時間帯は自習に充てる!と決めて、授業やバイトの後に図書館へ直行するようにしていました(まっすぐ自分の部屋に帰っても、だらけてしまうので・・・)。
 
みんなが一斉に取る「昼休み」や授業と授業の間の10分休憩というものはないので、隙間の時間に食事を取ったりキャンパス内のカフェで一息ついたりします。わたしの場合、金曜日だけは11~16時まで講義が詰まっていて、一つの授業が終わったらとりあえずクッキーを食べながら次への教室までダッシュ、というちょっと大変なスケジュールでした。
 
■Compulsory Modules(必修モジュール)
 
1. Research methods in education(リサーチ・メソッド)
・Credits(単位):20
・Assessment value(成績比重):12.5%
・授業形式:講義(週1・120分)
・評価方法:クリスマス休暇明けに試験(120分)
・内容:
 教育分野における調査・研究メソッドについて学びます。具体的には、リサーチデザインの組み立て方、インタビュー調査や観察調査の方法、SPSSを使った量的調査の分析など。the standard deviation(標準偏差)やChi-square test(カイ二乗テスト)など、日本で大学に通っていた時(5年前)に気まぐれで取っていた統計学の授業で習ったこともチラホラ出てくるのですが、理論的な話が多いので結構難しいです・・・。ちなみに昨年はクラスの3分の1が単位を落としたらしく、、ひゃあ~!
 
2. Citizenship education(シティズンシップ教育)
・Credits(単位):20
・Assessment value(成績比重):12.5%
・授業形式:講義(週1・120分)&セミナー(ゼミ)(隔週・60分)
・評価方法:クリスマス休暇明けにエッセイ(レポート)提出(4-5,000 words)
・内容:
 コースの核となるモジュール。わたしがヨーク大学を選んだ理由のひとつは、このモジュールを教えているIan Daviesという教授の存在です(日本にいる時から彼の論文をいくつか読んでいたので、ぜひ彼のもとで勉強したいと思っていたためです)。ここではアリストテレスの時代から始まり、「シティズン(Citizen)」という概念がこれまでどのように捉えられてきたのか、歴史的・理論的側面を中心に学びました。モジュールの名前は「シティズンシップ教育」だったので、イギリスにおける教育政策なども触れましたが、最初の学期ということもありシティズンシップの基本概念を理解することが主でした。
 
毎週、講義の前にプレゼン担当者が決められていて、その発表のあと講義に入ります。わたしはCommunitarianism(共同体主義)の回を担当しました(他の週のテーマは、Liberalism(自由主義)、European Citizenship(ヨーロッパにおけるシティズンシップ)など)。また、授業の一環でBootham Schoolというクエーカー系の独立学校へ授業見学に行く機会もありました。
 
最終エッセイのテーマは複数の中から選択でき、わたしが選んだのは「シティズンシップ教育に関するイングランドのナショナルカリキュラムと日本の学習指導要領の比較検討」について。選択モジュール(後述)のエッセイで人権教育に焦点を当てたので、こちらの課題でもそれを生かし、人権教育の観点から日英のシティズンシップ教育を批判的に考察しました。
 
■Optional Modules(選択モジュール)
 
3. Education and Social Justice(教育と社会正義
・Credits(単位):20
・Assessment value(成績比重):12.5%
・授業形式:講義(週1・120分)
・評価方法:クリスマス休暇明けにエッセイ提出(4-5,000 words)
・内容:
 モジュール名の通り、教育と社会正義、そして人権(Human rights)の関係について、主にa rights-based approach(権利ベースアプローチ:開発分野において、人権尊重の観点から取り組むアプローチ)の観点から学びます。テーマの例は、人権と言語・障がいと公平・多文化主義とマイノリティ文化・ジェンダー平等・人権教育など。
 
最終エッセイのテーマは複数の中から選択でき、わたしは「社会正義と人権尊重の促進は、教育者の役割か?」という問いを選びました。理論的には教育を通じて人権尊重を促進するべきという立場を取りますが、現実的には政府と被抑圧者たちとの間に政治的対立が起こった結果、学校における人権教育は非本質的なものになってしまう傾向がある(「権利を獲得する」ための政府⇔個人の関係、というよりは「人に優しくする」「差別しない」といった個人⇔個人の関係にばかり焦点が当てられる、など)ということを、日本の部落問題・同和教育を例に挙げて論じました。
 
☆追記
エッセイの内容の一部を、こちら↓↓の記事に書きました。ご参考まで。
【ブログ】日本の道徳教育を「人権」の観点から考えてみた
 
このエッセイを書く上で調べたこと、考えたことは、大学院生活後半、そして帰国後の進路を考えるうえでわたしの軸になりそう。大学院での研究の肝はセルフスタディー(自主学習)にあるんだなぁと実感しました。孤独な作業ですが、自分の考えがどんどん深まるので、わたしはペーパー試験よりもエッセイを書く方が好きです!
 
☆ちなみに上記3つのモジュールの成績は、Spring term(春学期)の7週目(2月中旬)に発表されます。
 
■その他(成績には入らないモジュール)
 
1. Departmental English(英語)
・授業形式:セミナー(120分)
・内容:
エッセイや論文を書くために必要なアカデミック・ライティングを学ぶための必修モジュール。わたしは夏にプリセッショナルコースを受講していたので、その復習のような感じ。以前ブログにも書いたのでご参考に→「プリセッショナルコースで学ぶアカデミック・ライティング」
成績に入るわけではないのですが、毎週何かしらの宿題が出されるのでちょっと大変でした。
 
2. International Conversation(インターナショナル英会話)
・授業形式:セミナー(120分)
・内容:
 必修ではなく、先着順に受けられる英語コースの一つ。同じタイプのコースだと、ビジネス英語やケンブリッジ英検のための授業も取れます(一部追加で授業料がかかりますが、このコースは無料)。大学院での英語の授業はライティング(書く)が中心なので、スピーキング(話す)授業も取りたいと思って選びました。
 
毎週、異なるテーマ(家族、文化、社会問題など)に沿って少人数で自由に会話するクラスだったのですが、(当たり前のことながら)皆ネイティヴスピーカーではないし、わたしみたいに「もっと話す機会を増やしたい」というよりは「英会話の自信をつけたい」という人の方が多く集まる場だったので、正直なところ、レベルはそんなに高くありませんでした。ただ、普段の学部の授業と比べると出身国も年齢層もバラバラだったので、新しい人に出会えるという意味では良い機会でした。
 
3. Classical Latin(古典ラテン語)
・授業形式:講義(週1・120分)
・内容:
 外国語の授業は主に学部生向け(無料・単位になる)ですが、枠に空きがあればわたしのような大学院生でも受講できます(全19週で£142・単位にならない)。「せっかく1年間イギリスの院にいるんだから、全く新しいことを勉強してみたいな~」ぐらいのノリで取ったラテン語、ほかのどの授業よりも苦労しています(涙)。大学生のときに第二外国語としてフランス語を4年間勉強していたのですが、その比にならないぐらいわけがわからない。でもせっかく始めたので5月まで全うします・・・!(頑張れわたし)
 
**********
 
わたしが秋学期に受けていた授業はざっとこんな感じです。「イギリスの大学院でどんなことを勉強するんだろう?」と興味のある方にとって参考になればうれしいです!成績が発表されたら、日本とは異なる評価方法などと併せて、また別記事にまとめますね(追記:こちらの記事をご覧ください→「秋学期の成績発表と、ひそかな野望について。」)。