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使えたら好印象!自然な英会話に近づくちょっとした一言

修士論文の提出まであとちょうど一ヶ月、というところで全体のドラフトが書きあがりました!
これからまだ修正は必要ですが、とりあえず一区切りついたので、久しぶりに大学院の研究とは直接関係のないことをブログに書こうと思います^^♪
 
よく、「英語圏に一年もいれば、英語がペラペラになる・・・?」というイメージを持っている人も少なくないかもしれませんが、わたし個人的には「一年住んでいるというだけで英語が話せるようになるわけではない」と思います(ペラペラになった人に会ったことない!笑)。

1年間の留学で見つけた英会話のコツ

でも、一年間イギリスの大学院で勉強してみて(語学力の面で)良い変化もありました。たとえばわたしの場合、
 
・ニュースや英会話を聞き取るのに苦労しなくなった
(でも、ヨークシャーアクセントはいまだに難しいです!)
・話すスピードが上がった
(イギリスに来る前は、「ちゃんと話せているけどゆっくりだね」と言われることも)
・ちょっとした時の「つなぎ」の一言が自然に出るようになった
(前は、”OK!”だけで済ませてしまっていたように思います)
 
など。特に3つ目は、昨年10月に始めたカフェでのアルバイトのおかげで上達したな、と思いますし、こういうスキルは(英語に限らず)コミュニケーションを円滑にするうえですごく大事だなと感じています。
というわけで、今日は「これがパッと言えるだけで英語らしさが増す&相手に好印象を与える一言」について書いてみたいと思います~!
 
thank you flower
Photo from yaochengdesign.com

“Thank you”の前に一言

バイトでは、レジに立っていることが多いのですが、おつりや商品を渡すときにダントツでお客さんから言われるのは、
Lovely!/Brilliant!/Fantastic!
です。どれも、「素敵!」という感じの意味ですが、それほど素敵ではない場面でも連発。(笑)
 
あとは、Perfect!(パーフェクト!)もちょっとした言葉で言われますし、わたし自身も金額ぴったりに小銭を渡されたときなどに言ったりします。
 
そして、Cheers!も便利な言葉。「乾杯!」という意味だと覚えている人も多いと思いますが(わたしもイギリスに来るまではそうでした)、こちらではThank youの代わり(もしくはセット)で良く使います。

“I’m sorry”に対して返す一言

 
店員側がレジでお客さんを待たせてしまったとき、もしくはお客さん側が、細かいお金がないとき、注文するメニューを決めるのに時間がかかってしまうとき・・・など、お互いに「ごめんなさいね!」と言う場面は結構多いもの。
 
そんなときにさらっと言いたいのが、
No problem!(問題ないよ!)No worries!(心配ないよ!)
などの一言。ちなみに、Thank you!と言われたときにもこう返すことが多いです。
(むしろ、You are welcome!というのを実はあまり聞かない気がします)
 
もしくは、
That’s fine.That’s alright.も「大丈夫だよ~」という感じで使われます。
 
相手が何かに手間取ってしまっているときには、Take your time!(ゆっくりでいいよ)の一言など。
Don’t worry, take your time!などセットで使うのもいいと思います♪)
 
どれも、ただ”It’s OK.”と返すよりも、言われた側が安心する一言かなと思います^^
(ちなみに”OK”は日本語だと「オッケー!」という明るいノリで使われますが、英語だと「まぁ悪くないかな」ぐらいの意味に取られてしまうこともあります)

会話を始めるときの一言

ばったり道で友人に出会ったり、カフェに来たお客さんに声を掛けたり(逆に掛けられたり)するとき、もちろん”Hi!”とは言うのですが、それにプラスして一言添えることが多いです。
 
How are you?(元気?)と同じぐらい良く聞くのが(You’re) All right?という挨拶。
わたしがバイトを始めたての頃、マネージャーにこう聞かれるたびに(あれ、なんかわたし心配されてる・・・?)と思っていたのですが、「大丈夫?」と心配しているよりも「調子はどう?」ぐらいのニュアンスで使われているということがわかりました。
なので、こう聞かれたら“Yes, all right, thanks! And you?”などと返せばだいじょうぶです^^
 
週明けだと、常連のお客さんなどにHow was you weekend?(週末はどうだった?)と聞く(聞かれる)ことも。
あとは、イギリスの天気は変わりやすいので、It’s muggy today, isn’t it?(今日はむしむしするね)などと天気の話題を最初に出すことも多いです!
お客さんの持ち物をI like your shirt! It’s very beautiful.(あなたのシャツ、好き!とても綺麗ね)などと褒めることも。日本だとこういう会話を見知らぬ人と交わすことはあまりないですが、こちらでは良くあります。
 
わたしは大学のキャンパス内にあるカフェでバイトをしているので、お客さんの大半は同じ大学の学生。疲れた顔でコーヒーを買いに来る人も多いので(特に試験期間)、How’s your study going?(勉強の調子はどう?)とこちらから聞いたり、Good luck with your exams!”(試験がんばってね!)と声を掛けることも多いです^^(わたしも学生だということを相手も知っていれば、Thanks, you too!(ありがとう、あなたもね!)と言ってくれます)
 

別れ際の一言

お会計を済ませたお客さんにはもちろん”Thank you!”と言うのですが、それにプラスして、
See you later!(またね!)と言う(言われる)ことが多いです。”later”って付いているし、あとでまた会う約束をしている人にしか使わないのかな?と思っていたのですが、街のスーパーとかでも普通に言われます。
(そういえば、”Good bye!”ってほとんど聞いたことないなぁ)
 
あとは、Have a nice/lovely day!(良い一日を!)は良く使います。時間帯によっては、Have a lovely evening!(良い夕方を!)、週の終わりだとHave a lovely weekend!(良い週末を!)など。
でも、その表現は「アメリカ人っぽい」と言うイギリス人の友だちもいました。人によるかな?
 
ちなみに返す時はYou too!(あなたもね!)と一言添えて。わたしは最初のころ、Thank you!しか言えなかったので、自然と出るようになるまで意識して使うようにしていました。
 
Have a wonderful day
Photo from cardstore.com

「+α」で丁寧さが増す一言

人によって使う表現は違うので、「あ、この人の言葉遣いは丁寧だな」と思う同僚やお客さんの会話は、注意深く聞いてマネするようにしていました!
 
たとえば、レジで「いらっしゃいませ」とお客さんに挨拶するとき。
Hi ya!⇒Hi, how can I help you today?
 
並んでいるお客さんに「次の人、どうぞ!」と言うとき。
Next, please!⇒Who’s next, please!
 
「ほかにご注文は?」と聞くとき。
Anything else?⇒Is that everything for you?
 
「袋は要りますか?」と聞くとき。
Do you need a bag?⇒Would you like a bag?
(返事は、Yes/NoだけでなくYes, please.No, thank you.と言う方が丁寧。特に日本人や中国人のお客さんは”Thank you”や”Please”を付けない人が多く、アメリカ人の同僚が「失礼!」と怒っていたので(笑)細かいことだけど受け取り手の印象が変わるんだな、気をつけようと思いました!)
 
人に「~してもらえますか?」と頼むとき。
 
Can you…?⇒Would you…please?
 
そういえば、マネージャーや同僚から仕事を頼まれるときに、
Would you…for me?(わたしのために~してくれる?)
とという表現や、
Are you happy to…?(「~するのうれしい?」)
Do you want to…?(「~したい?」)
などの、直訳するとちょっと不思議?な言い方をされることもあります。
(要するに「~してもらえる?」という意味らしい。遠回しだな~!笑)
 
あとは、表現というよりも単語の話ですが、はじめて
Where is a lavatory?(’lavatory’はどこですか?)
とお客さんから聞かれたときは「???」と困ってしまいました。
 
“lavatory”は、「トイレ」を丁寧に言いたい時の言葉です。日本語で言うと、「お手洗い」。
(最初は勝手に脳内変換して、「研究所」(laboratory)の場所を聞かれたかと思った)
あとは、会話だと“loo”という単語を使うことも。これは、イギリスならではなのかしら?

「とっさの一言」は慣れが肝心!

いかがでしたか?^^
最初に書いたように、ただ1年間海外で暮らしていた、というだけで英語がペラペラになるわけではありません(個人的印象)。
でも、こういうスモールトークとか、つなぎの言葉を使えるようになるだけで、「英語らしさ」「ナチュラルさ」はぐんと上がりますし、相手に好印象を与えられると思います。
 
ここで紹介した表現は、どれも使われている単語は基本的なレベルのものばかりですし、「そんなの知ってるよ~」と思うかもしれません。
ただ、わたし自身もそうでしたが、頭ではわかっていても「とっさの一言」が英語で言えない人って結構いるんです!そんなつもりはないのに失礼に聞こえてしまったり、怒っているのかな?と思われてしまったりするともったいない(カフェで接客をしていると、「一言”please”って付けるだけで印象は変わるのに!」とお客さんに対して残念に感じることも・・・)。
 
いつも気が付けば「イエス!」「グッド!」「オッケー!」といった返事ばかりしてしまうな~という人がいれば(←1年前のわたし!)、ぜひ参考にしてみてくださいね^^♪ 口に出す回数が多ければ多いほど、早く自分のものにできるはずです!
 
そうそう、言葉だけでなく、笑顔も大切ですよね。わたしは接客中の愛想の良さなら誰にも負けない自信があるので(笑)、“I like your smile!”(あなたの笑顔、好きよ!)と声を掛けてくれるお客さんも結構いるんですよ♥
 
▼こちらも相変わらずアクセス数の多い記事です。
「持ち帰り」は「テイクアウト」と言わない?バイト先で学んだイギリス英語いろいろ
 

日本の大学教育改革と「サービスラーニング」導入状況

 
いま執筆中の修士論文でわたしがテーマに据えている「サービスラーニング」
日本でも、カリキュラムに導入する大学が少しずつ増えてきているようですが、全体像が把握しづらい(導入している大学数とか・・・)ので、自分用のまとめとして、文部科学省によるGP事業を中心に実践例をリストアップすることにしました。
 
servicelearning
Photo from tiffanyhuang.com
 
■サービスラーニングとは?

教育活動の一環として、一定の期間、地域のニーズ等を踏まえた社会奉仕活動を体験することによって、それまで知識として学んできたことを実際のサービス体験に活かし、また実際のサービス体験から自分の学問的取組や進路について新たな視野を得る教育プログラム。
 
サービスラーニングの導入は、①専門教育を通して獲得した専門的な知識・技能の現実社会で実際に活用できる知識・技能への変化、②将来の職業について考える機会の付与、③自らの社会的役割を意識することによる、市民として必要な資質・能力の向上、などの効果が期待できる。

中央教育審議会答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」用語集p.38) 
 
一般的な例でいうと、
大学での講義(前期)+地域でのボランティア活動(夏季休暇)+振り返り(後期)
というような形で、カリキュラムの一環としてボランティア活動が行われ、単位も付与されるという教育プログラム。
 
1950~60年代のアメリカの市民権運動、学生運動にルーツを持ち、1990年代の「国家及びコミュニティ・サービス法(National and Community Service Act)」制定や「キャンパス・コンパクト(Campus Compact)」という連合体設立以降、アメリカの多くの大学でサービスラーニングが導入されるようになりました。
 
なお日本では、1999年に国際基督教大学(ICU)で初めて導入されました。
 
■政府による「サービスラーニング」の支援
日本では、政府主導でサービスラーニングを導入してきたというよりは、すでに大学独自のカリキュラムとして実践されている取り組みに対して、政府が大学教育改革の一環として注目、支援してきたという流れのようです。
以下、関連する答申や事業について、時系列でメモしておきます。
 
◎中央教育審議会答申(平成14年7月29日)
「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」

今日,いじめ,暴力行為,ひきこもり,凶悪犯罪の増加など青少年をめぐり様々な問題が発生し,深刻な社会的問題となっている。こうした問題の背景には,様々な要因が考えられるが,思いやりの心や社会性など豊かな人間性が青少年にはぐくまれていない現実とともに,他者を省みない自己中心的な大人の意識や生き方,さらには様々な社会的課題に対し行政だけでは適切に対処できないという状況等が深くかかわっている。
 (中略)
 中央教育審議会では,こうした認識に立って,諮問事項について検討し,「奉仕活動・体験活動」が,我々が直面する問題を解く糸口となると考えた。「奉仕活動・体験活動」は,人,社会,自然とかかわる直接的な体験を通じて,青少年の望ましい人格形成に寄与する。

 
この答申の中で、「18歳以降の個人が行う奉仕活動等の奨励・支援」の例としてサービスラーニングが挙げられています。
 

大学,短期大学,高等専門学校,専門学校などにおいては,学生が行うボランティア活動等を積極的に奨励するため,正規の教育活動として,ボランティア講座やサービスラーニング科目,NPOに関する専門科目等の開設やインターンシップを含め学生の自主的なボランティア活動等の単位認定等を積極的に進めることが適当である。

 
ただし、「単位は与えないが,サービスラーニング・プログラムの一環として位置付けられるもの」として
 
(1)大学が公的に行う諸外国におけるワークキャンプ
(2)学生のクラブ活動として行っているユネスコクラブのスタディーツアー,ワークキャンプ,点訳サークルの活動 等
 
が参考事例として挙げられており、ボランティア活動との明確な違いは認識されていない印象を受けます。
 
◎文部科学省GP事業

文部科学省では、国公私立大学を通じて、教育の質向上に向けた大学教育改革の取組を選定し、財政的なサポートや幅広い情報提供を行い、各大学などでの教育改革の取組を促進するため、「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」、「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」及び「質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)」を実施しています。
 平成21年度からは「大学教育・学生支援事業」のテーマA「大学教育推進プログラム」において大学教育改革の取組を推進しています。

(リンク:http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/gp.htm
 
※ただし、「平成22年11月に実施された行政刷新会議の事業仕分けにより、当時実施されていた「大学教育・学生支援推進事業」が「大学の本来業務であり、このような補助を行うことは認められない」として、「国の事業として廃止」との評価を受けた」(「国公私立大学を通じた大学教育改革の支援に関する調査検討会議」平成25年8月30日まとめpp.1-2より)
 
GP事業とは、大学教育改革の一環で、各大学(短期大学、高等専門学校含む。以下同じ)が自ら大学教育に工夫を凝らした「優れた取組(Good Practice=GP)」で他の大学でも参考となるようなものを公募により選定する文部科学省の事業です(詳しくはこちら)。
 
以下、GPとして過去に選定された取組のうち、サービスラーニングだけを拾ってみました(漏れがあればぜひ教えてください)。
 
(1)特色ある大学教育支援プログラム(特色GP):平成15~19年度
 ・女子美術大学「美大におけるサービス・ラーニングの実践」(平成16年度)
 
(2)現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP):平成16年~19年度
・立命館大学「地域活性化ボランティア教育の深化と発展」(平成17年度)
 
・関西国際大学「大学、住民及び行政等の協働と地域活性化-シニア学生受入モデルとサービスラーニングモデルの開発-」(平成18年度)
 
・新見国立短期大学「地域のニーズに応える看護専門職養成-在宅高齢者支援プログラムとサービス・ラーニング-」(平成18年度)
 
(3)質の高い大学教育推進プログラム(教育GP):平成20年度
・日本福祉大学「協働型サービスラーニングと学びの拠点形成-NPOとの連携による地域貢献学習を導入した自己発見と学びの展開-」(平成20年度)
 
・関西国際大学「初年次サービスラーニングの取組-学士課程における複合的・重層的サービスラーニングの展開-」(平成20年度)
 
(4) 大学教育・学生支援推進事業(大学教育推進プログラム):平成21~22年度
・山梨県立大学「課題対応型SLによる公立大学新教育モデル」(平成22年度)
 
◎GP以外の大学教育改革事業
(1)大学教育の国際化推進プログラム
・国際基督教大学「国際サービス・ラーニングの展開と連携構築 -実践型国際教養教育のアジア・アフリカネットワーク形成」(平成17年度)
 
(2)新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム
・上智短期大学「サービスラーニングによる学生支援の総合化-ライフデザインと社会人基礎力の養成-」(平成20年度)
 
上記以外でも、サービスラーニングを導入している大学はあります。たとえば、
・筑波大学人間学群「サービス・ラーニング」 
・日本とインドネシアの6大学(愛媛大学、香川大学、高知大学、ガジャマダ大学、ボゴール農業大学、ハサヌディン大学)が協働して実施するプログラム「SUIJIーSLP」など。
 
ただ、サービスラーニングに関する全国的な調査が今のところないため(ボランティアに関する調査は複数存在します)、主な事例を把握するために文部科学省による選定取組をリストアップしました。
 
◎中央教育審議会答申(平成24年8月28日)
「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~」
 

我が国においては、急速に進展するグローバル化、少子高齢化による人口構造の変化、エネルギーや資源、食料等の供給問題、地域間の格差の広がりなどの問題が急速に浮上している中で、社会の仕組みが大きく変容し、これまでの価値観が根本的に見直されつつある。このような状況は、今後長期にわたり持続するものと考えられる。このような時代に生き、社会に貢献していくには、想定外の事態に遭遇したときに、そこに存在する問題を発見し、それを解決するための道筋を見定める能力が求められる。

とあり、そのための能動的学修(アクティブ・ラーニング)の例として「インターンシップやサービス・ラーニング、留学体験といった教室外学修プログラム等の提供が必要」という記述が見られます(p.10)。
また、「地域社会・企業等」と大学との連携という文脈でも、「サービス・ラーニング、インターンシップ、社会体験活動や留学経験等は、学生の学修への動機付けを強め、成熟社会における社会的自立や職業生活に必要な能力の育成に大きな効果を持つ」と触れられています(が、どちらかと言えばインターンシップの重要性が強調されています)。

◎今後のサービスラーニングの発展

同じ「サービスラーニング」という名前であっても、大学によりそのカリキュラム内容には差異があり、また「サービスラーニング」と掲げていなくても類似するプログラムを実践しているところはあると思います。
 
そのため、日本におけるサービスラーニングの実態を把握するのがなかなか難しいのですが(だからこそ、修士論文のテーマとして選んだのですが)、オンラインでいくつか日本の先生による論文を読むことができたので、リンクを貼らせていただきます(もし、何か問題があればご指摘ください)。
 
・桜井政成「「地域活性化ボランティア教育の深化と発展」:サービス・ラーニングの全学的展開を目指して」(立命館高等教育研究第7号pp.21-49、2007年)
 
・武田直樹「日本の大学教育におけるサービスラーニングコーディネーターの現状と課題」(つくば学院大学紀要第6集pp.119-131、2011年)
 
英米の学者による論文を読むと、「サービスラーニングは、単に“良いこと”をするボランティアではなく、社会変革を促すような政治的側面も視野に入れて発展するべきだ」という主張も見られますが、まだ日本では「ボランティアの延長」または「労働市場のニーズに合った人材を育成するためのキャリア学習」という側面が強いように感じます(その辺りを学生対象にリサーチし、分析するのがわたしの修士論文のメインテーマです)。
 
とは言え、日本におけるサービスラーニングの歴史はまだ15年ほどで、実践例も多くないのが現状。今後社会の変化と共にどのように発展していくのか、注目していきたいと思います。
 

【イギリス留学】良くある質問まとめ【バイト編】

 
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≪バイト編≫
Q. 資金が足りるか心配なので、バイトがしたいです。学業との両立は大変ですか?
 
A. わたしは、週2~3日(10~15時間)キャンパス内にあるカフェでアルバイトをしています。
(参考記事:「【イギリス留学】大学のカフェでアルバイト始めました。」)
 
両立が大変か大変じゃないか、と聞かれたら・・・やはり大変です。学べることも多いですが!
どれぐらいの範囲で可能かは、
 
・個人の語学力
・時間管理スキル(わたしは3ヶ月単位で勉強その他の予定を立てていました)
・修士課程のカリキュラム(毎日朝から夕方まで授業が詰まっているコースだと難しいかも)
・バイトの仕事内容(学生時代にも飲食店での接客バイト経験あり)
・バイトをする場所(キャンパス内であれば、移動のために勉強時間が削られない)
 
などによると思いますし、基本的に留学エージェントや先生からは「大変だからやめた方がいい」と言われるかも・・・
たまたまバイト先のカフェに教授が来店した際に、「バイトしてたの?!良くやってこられたね」と驚かれました。
わたしの場合は、切実にお金がなかったのでやるしかなかったのですが(笑)
修士課程に入った直後(10月頭)からバイトを始めたので、最初からそれを前提で勉強計画を立てられたのも良かった。
 
Q. インターン先はどのように見つけましたか?
 
A. わたしのMAコースは、実習(Placement)などの実践的なカリキュラムがなかったので、個人的に探しました。
インターンをしたいと思った団体(グローバル教育センターという教育系NGO)にCVとカバーレターを送り、
直接会って自分が大学院で勉強していること、インターンで学びたいこと、貢献できるスキルを話しました。
(参考記事:「違い」から生まれる対立を解決するには?【前編】)
「バイトをする余裕はないけれど、できる範囲で何か活動がしたい」という人は、ぜひ探してみてください☆
大学の外にある世界と接点を持つことで、研究に生かせることもあるかもしれません!
 
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☆あくまでも個人的な意見であるということをご理解ください。
☆その他の質問については、本記事の下にある【イギリス留学FAQ】のタグから!
☆個別にいただいたご連絡にお返事できないこともありますのでご了承願います。
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【イギリス留学】良くある質問まとめ【生活編】

 
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≪生活編≫
 
Q. 毎月かかる生活費(学費、寮費、旅行代は除く)はどのぐらいですか?
 
A. 200~300ポンドです。月々のバイト代の範囲に収まるよう、渡英初日から毎日出納帳をつけて入出金を管理していました。
ただし、わたしが住んでいるヨークという街は遊ぶ所が少ないので(笑)、ロンドンなど都会に住む場合はもっとかかるかも?
毎日自炊で、外食は月1~2回程度です。
 
☆こちらも参考に!→イギリス大学院留学のリアルな収支内訳を大公開! | 齋藤実央 Official Blog 【Enbook】
 
Q. イギリスでの連絡手段は何を使っていますか?
 
A. Eメール、SNS:日本から持ってきたiPhone(SIMロック※)+キャンパス内のフリーwifi、
電話:イギリスで購入したO2(オーツー)のプリペイド携帯(本体価格は5ポンド、トップアップした料金の分だけ通話やテキストメッセージの送受信が可能) を使っています。
つまりキャンパスから一歩出るとインターネットは使えないという、やや不便な状況ではありますが、何とかなる。
(万が一迷子になった時は、通りすがりの人に「Googleマップを見せて!」と頼んだりしてます。笑)
どうしても常にネット環境が必要!という人は、3G回線を契約しているようです。
 
※日本でソフトバンクのiPhoneを使っていて、留学中は「電話番号・メールアドレスお預かりサービス」(月額390円)だけ契約していました。そのため、通話(発信/着信)、通信サービス(メール/ウェブ)はできない状態で、大学キャンパス内や街にあるカフェなど、フリーwifiがあればSNSなどのアプリが使える、という状態でした。
 
Q. イギリスでの支払い手段は何を使っていますか?
 
A. まず現地でロイズ銀行(Lloyds Bank)の口座を開き、自分が日本で貯めていたお金をそこに移し、学費、寮費はそこから引き落とすように指定しました。また、バイトのお給料の振込先もロイズの口座です。
普段の買い物は、基本的にはロイズのデビットカード(クレジットカードと同じ要領で使い、即日口座から引き落とされるやつ)。金額の小さい買い物のときは、ATMから引き出した現金で支払い。
大学主催の旅行チケットやランドリーのトップアップなど、PayPal経由で支払わないといけないものも結構あったので、日本で使っていたアカウントとは別に、大学のEメールアドレス+ロイズ口座で新しいアカウントを作りました。
 
なお、日本の家族へのプレゼントを買うときなど、日本円でのネットショッピングは日本の銀行口座(新生銀行)に紐づけた日本のクレジットカード(楽天)を使って、ポイントを貯めるようにしていました。月々の携帯料金(上に書いたとおり、ソフトバンクの「電話番号・メールアドレスお預かりサービス」を利用していたので、その月額料金+機種代)も、日本の銀行口座から引き落としを続けていました。
 
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☆あくまでも個人的な意見であるということをご理解ください。
☆その他の質問については、本記事の下にある【イギリス留学FAQ】のタグから!
☆個別にいただいたご連絡にお返事できないこともありますのでご了承願います。
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【イギリス留学】良くある質問まとめ【勉強編】

 
questions_study
 
今週は、イギリスにしては珍しく暑い(30度超え)日が続いていて、心なしかみんなテンション上がり気味です!
でもこれが今年のピークだというウワサも!(笑)
 
7月に入ったということで、2015年秋からイギリスの大学院に留学されるという方が渡英準備をされている頃でしょうか。
わたしは、昨年の7月下旬にヨークに来たので、もう1年経ったのか~と感慨深いです。あっという間だったな~
(・・・なんてしみじみ浸るヒマもなく修士論文の執筆に追われているというのが現状です笑)
 
さて!ブログのお問い合わせフォームやInstagramなどを通じてちょこちょことご質問いただいていて、個別にお答えしたりしているのですが(忙しい時期はお返事できていなくてごめんなさい・・・!)、よく聞かれることをまとめておこうと思います。これから留学される方の参考になればうれしいです^^
 
≪勉強編≫
 
Q. 渡英前のIELTSスコア、語学レベルはどのぐらいでしたか?過去に留学経験はありましたか?
 
A. Overall 7.0、語学留学含め、過去に留学経験はありません(26歳で初めての大学院留学)。
語学力にさほど不安はなく(日常会話、ビジネス英語の面で)、特にリーディングは比較的得意(IELTSは8.0)でしたが、
アカデミックライティングは苦手(IELTSは6.5)で、修士課程に入る前に基礎固めをしたい!と考えたため、
Unconditional Offer(無条件合格)はもらっていたものの、8週間のプリセッショナルコースを受講しました。
 
Q. 無条件合格の状態であっても、プリセッショナルコースは受講する価値がありましたか?
 
A. 修士課程でどのようにエッセイを書けば良いか明確になった、という面では受けた価値があったと思います。
(参考記事:「プリセッショナルコースで学ぶアカデミック・ライティング」)
また、2ヶ月早く渡英して、キャンパスでの生活に慣れ、図書館の使い方を知り、生活用品を揃えることもできました。
ただし、プリセッショナルコースで使う英語自体のレベルは決して高いものではない(先生も厳しくない)ので、リスニング・スピーキングの伸びはあまり感じませんでした(感じ方には個人差があると思います☆)。
 
周りの学生はほぼ中国人で、彼らはもちろん普段は中国語で会話するので、大学主催のイベントに個人的に参加したり、地元のボランティアに参加したりして英語を話せる友人を作り、語学力をキープするよう努めました。
 
Q. 大学院の授業についていくのは大変ですか?
 
A. これも個人差があると思いますが、わたしは(心配していたぶん)、ほとんど苦労しませんでした。
と言っても、わたしの持っていたIELTS7.0というのは、それほど高いスコアではありません。
コースにもよるものの、大学院の授業はセミナー形式の授業、ディスカッションが主なので、
 
・授業で学ぶ内容をきちんと予習している(文献を読んでいる)か?
・関連する基礎知識(学部での勉強、職務経験)がどれぐらいあるか?
・教授の言うことを鵜呑みにせず、クリティカルに考え、自分なりの意見を持てるか?
・そしてそれを恥ずかしがらずに発言できるか?(性格、熱意の問題)
 
という、語学力プラスα、も大切だと感じました。
そして、「授業についていく」というだけでなく、「良い成績を取る」ために一番重要なのはライティングスキル。
わたしのコースの場合は、ひとつのモジュールにつき5,000語のエッセイを書く必要があり、これは結構大変でした。
 
Q. イギリスの大学院の成績はどのようにつけられますか?
 
A. 大学によって微妙に異なりますが(くわしくは各大学の成績評価基準を見てみてください☆)、50点以上で合格です。
日本の試験のイメージだと、意外と低いんだなと思うかもしれませんが、イギリスでは70点以上取れれば上出来。
「正確に理解できている」程度のエッセイだと50点代、分析的・批判的な視点があればやっと60点代という基準です。
(参考記事:「秋学期の成績発表と、ひそかな野望について。」&「春学期の成績発表。残るは修士論文のみ!」)
 
Q. 1年間の大まかなスケジュールを教えてください。
 
A. 大学、コースによって異なると思いますが、わたしの場合は下記のとおりでした。
★9月1週~12月1週(10週間):Autumn Term(秋学期)
・11月3週:中間エッセイ提出、プレゼンテーション
 
・12月2週~1月1週(4週間):Christmas Holidays(クリスマス休暇=エッセイ期間)
・1月2週:試験&エッセイ提出
 
★1月2週~3月3週(10週間):Spring Term(春学期)
・2月3週:中間エッセイ提出、プレゼンテーション
・3月3週:修士論文プロポーザル(概要)のアウトライン提出
(※わたしは前倒しで進めるために1月中旬に提出しました)
 
★3月4週~4月2週(4週間):Easter Holidays(イースター休暇=エッセイ期間)
・4月3週:エッセイ提出
 
★4月3週~6月3週:Summer Term(夏学期)
・4月4週:修士論文プロポーザルの最終版&倫理監査フォーム提出
(※わたしは前倒しで進めるためにイースター休暇に入る前(3月中旬)に提出しました)
・5月3週:修士論文プロポーザルに基づいたプレゼンテーション
 
★6月4週~8月末:Summer Holidays(夏季休暇:修士論文執筆期間)
・実際には、3月にプロポーザルを出したあたりから文献を読み進めました。
・修士論文の組み立て方についてはこちら→【イギリス留学】12,000語の修士論文をどう組み立てるか?
・執筆のスケジュールについては、無事書き終わったら記事にまとめます!
 
★9月1週目:修士論文提出
・わたしの大学の場合、コースによって8月末~9月中旬だったりまちまち。
・修士論文の審査結果が出るのは11月。つまり、MAを終えて帰国する時点では結果がわかりません。
 
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☆あくまでも個人的な意見であるということをご理解ください。
☆その他の質問については、本記事の下にある【イギリス留学FAQ】のタグから!
☆個別にいただいたご連絡にお返事できないこともありますのでご了承願います。
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【DEAR連載⑤】シティズンシップ教育の実践に求められるファシリテーション能力(2015年6月号)

 
DEAR(開発教育協会)の会報誌「DEARニュース」で、隔月の連載記事を持たせていただいています。
タイトルは、【ヨーク大学院留学記〜イギリスに学ぶ地球市民教育〜】。
本来、DEAR会員限定の出版物なのですが、発行後に許可を得たうえでこのブログでも寄稿記事をご紹介します。
今回でいよいよ最終回です^^
 
☆これまでの連載記事は、「DEAR連載」のタグからまとめて読めます。
 
**********
 
■第5回 シティズンシップ教育の実践に求められるファシリテーション能力
 
シティズンシップ教育は、子ども・若者たちが現代社会について理解し、積極的に社会参加するための知識とスキルを身に付けることを目的としています。それを教育現場において実践するうえで避けて通れないのが、物議をかもす/論争を招くイシュー(Controversial issues)です。
 
平たく言えば、善悪の判断をつけるのが難しく、賛否両論生まれやすいセンシティブな問題。たとえば、ジェンダー、文化、宗教、政治にまつわるイシューの多くは個人の価値観や信条の差異によって意見の相違が生まれることが多く、取扱いが難しいと感じる人も多いかもしれません。しかし、シティズンシップ教育では、子どもたちがこうした問題について異なる価値観を持つ他者と話し合い、クリティカルシンキング・スキルを身に付けることが望ましいとされています。
 
polling station
[写真]イギリスでは今年、5年ぶりの総選挙が行われました。授業でも政治の話題が良く挙がり、自分が支持している政党を公言する講師陣も多かったです。写真のように、大学のキャンパス内に投票所が設置されていたことで、選挙を身近に感じた学生もいたのでは?
 
「価値観」に関する教育というのは、一方通行の授業だと「刷り込み」「押しつけ」になってしまいかねません。そこで、今後ますます教育者に求められるのは、「ファシリテーション能力」、つまり、子どもたちが話し合いを通じて相互理解・合意形成できるように導くスキルだとわたしは考えています。
 
わたしがインターンをしているグローバル教育センターでは、学校教師向けのファシリテーション研修の中で①まずは教師自身のスタンスを述べずに、子どもたちに問題の背景を説明する、②子どもたちに互いの意見を尊重し合いながら議論させる、③考えうる全ての視点が出そろったあとで、教師自身の考えとその理由も話してよい、ということを伝えています。たとえ教師であっても、完全に「中立」である必要はなく、むしろ「あらゆる視点を考慮したうえで自分の意見を形成する」手本となることを重要視しているのです。
 
子どもたちが互いの意見を尊重し合いながら議論するプロセスを通じて、自分自身の価値観が「絶対」ではないということや、善悪のボーダーラインを引くことの難しさ、異なる意見を持つ他者との折り合いの付け方について学べる場づくりが、今後ますます教育現場において必要になってくるでしょう。
 
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